UNDERCOVER のミリタリージャケット
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TEPPEI:「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のパリでのファーストコレクション、"スキャブ期"と言われるシーズンのジャケットです。ボディがミリタリーのフィールドジャケットで、東南アジアのモン族という民族衣装が裾や襟に縫い付けられています。ベルンハルトのダイナソーと同じくらいの時間軸で、ダイナソーは買えたけど、当時このジャケットは人気で買えなかったんですよ。実は、そのシーズンに発売された現物ではなく、そのジャケットをモチーフに「ONE OFF」というスポットのプロジェクトで作られた珍しいものみたいで。コレクションで使われているモン族の紋様とは少し違うんです。
今でこそアンダーカバーともお仕事をさせてもらってますけど、これを着てオフィスにいくとすごく視線を感じるんです。まだ直接突っ込まれたことはないんですけど(笑)。
F:どこで購入したんですか?
TEPPEI:これは都内の古着屋で買ったんですけど、アメリカで買い付けられたものが日本に戻ってきたいう逆ルートでゲットしました。このシーズンの服はめちゃくちゃ好きで収集しているんですが、その中でも一番印象的な一点ですね。
F:ずばり、アンダーカバーの魅力とは?
TEPPEI:ここ4シーズンくらいお仕事させていただいているんですが、関われば関わるほど感じるのは、東京にとって永遠に原点であるストリートの生き字引として、その時代のメンタリティを30年以上経ってもずっと変わらず持ち続けているということ。時代に適応しながらも、アンダーカバーらしい服を作り続けている。あの立ち位置でヒーローになり続けることってすごく難しいことだと思うんです。自分にとってもずっと特別な存在。
お仕事のご縁もあり、最近改めてブランドのものを買い始めているんですよ。昔のものから最近のコレクションを含め。ベストバイの企画なので、服好きになり始めの熱狂した時期を思い出すようなセレクトにしてみました。
F:お話を聞いていると巡り合わせというか、欲している人の元に来ちゃうものなんですね。
TEPPEI:普通は来ないんですけどね。このシーズンのアイテムは7着くらい持ってます。
PRADAのヴィンテージレザージャケット
F:「プラダ(PRADA)」のレザージャケットです。こちらも過去のアイテムですね。
TEPPEI:色々な時代背景がある中で、ヴィンテージのレザーものって改めて注目しているんです。あまり教えたくないんですけど、田園都市線の終着駅にとある古着屋があって。この店舗で扱っている商品は凄まじく状態がいいんです。「メゾン・マルジェラ(Maison Margiela)」や「ジル サンダー(JILL SANDER)」、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」、「セリーヌ(CELINE)」といったメゾンの服は回転も早いですが、年代問わず置いてあります。大興奮のショップで、いつも20万円くらいは使っちゃいますね。
店主の方が買い付けていて、その方がおっしゃるには「90年代のボッテガとプラダのレザーはエルメスのレザーに匹敵するほどクオリティがいい時代があって、数少なく良い状態で残っているもの」だそうで。実際に着てみると本当に良くて、自分の中ではあまり出てこない上等な服の一つとして選びました。着ると周りから「すごいの着てるね」と言われます。
F:びっくりするくらい柔らかいレザーですね。着用感はどうですか?
TEPPEI:ピタッとなるかと思いきや、カマ底も低くてルーズになりすぎず、着やすいルーズ感っていうのが肝。表面も傷んでおらずコンディションも良いです。ただ非常に柔らかいレザーなので引っ掻き傷には気をつけないといけない。
F:どういった時に着るんですか?
TEPPEI:デイリーで着ますよ。薄手のハイゲージのニットと合わせたりロンTと合わせたり。アームの締め付けがそこまで強くないので、フーディの上からも着れちゃうんです。本当に布?ってくらい柔らかいんですよ。
ERLのダウンジャケット
F:こちらは今注目の「イーアールエル(ERL)」のダウンジャケットですね。
TEPPEI:自分の思い入れのある服ってヴィンテージとか昔のものを掘り起こしたものが多いので「ぽくないね」とは言われそうだけど、一つイケイケのものも入れてみました(笑)。銀座のドーバーで買ったんですけど、かっこいいし服もしっかり作り込みがされている印象です。
F:「ディオール(DIOR)」コラボで一躍名前が知られるようになりましたよね。
TEPPEI:それ以前からエイサップ・ロッキー(ASAP Rocky)とか著名ラッパーが着ていたので知っていたんですけど、だからと言ってすぐさま飛びついてかっこよく着られる人ってそんないないんじゃないかっていうくらい結構際どいアイテムが多くて(笑)。例えるのが難しいんですけど、言うなれば「ヴェトモン(VETEMENTS)」が出てきた時みたいな。僕的には人と被らないし、自分のスタイリングに落とし込めるアイテムで、ドーバーを一周して一番印象的だったので買いました。
F:決め手は?
TEPPEI:元々シルバーのダウンジャケットが欲しくて探していたんです。鈍いメタルの風合いとしっとりとした素材感で、エイジングしたような加工が施してあるんですけど、欠点がなかったんで買いました。これまで紹介してきたアイテムよりストーリーはないけど、単純にいいなと思って良く着ています。
F:デザイナーのイーライは注目されてますし、近々大きいアナウンスもあるという噂も聞いたり。
TEPPEI:そうなんですね。そこまでブランドについて知らないんですけどすごく興味深くて。というのも、どこを資本としているんだろう?っていうくらいしっかりと作られてるから。ブランドが拠点にするLAのベニスビーチってこんなファッションブランドが土着的に出てくる街ではない気もしていて。サーフカルチャーやスケートカルチャーはもちろんベースにあるんだろうけど。ルックとかもすごいかっこいいですよね。
F:ルックやスタイリングもデザイナーがディレクションしているそうです。このブランドもパリのドーバーで展示会をしていたんですが、若手の中でもワンフロア大々的に見せていたので、売れっ子の印象。そろそろディオールコラボも発売になると思うので、来年さらに注目されそうです。
TEPPEI:こういった若いデザイナーが将来どうなっていくのかは気になりますよね。一時の「アダム・キメル(ADAM KIMMEL)」みたいに、インディペンデントでアヴァンギャルドな雰囲気と確かなモノづくりがあるので。アダム・キメルはフェードアウトしちゃって背景も全く違うと思うので比べられないと思うけど、ルックの面白さとか独特な世界観、ベーシックとのバランスとか、勢いは少し似ているのかもと思いました。
スキンズのヴィンテージTシャツ
F:こちらはパンクなプリントTシャツですね。
TEPPEI:これは知る人ぞ知るTシャツで。ザ・スミス(The Smith)のモリッシー(Morrissey)がTシャツを掲げてるアイコニックな写真があるんですけど、その掲げられているTシャツです。実物ではないんですが。この写真を撮影しているのは、ニック・ナイト(Nick Knight)なんですよ。ニック・ナイトが初めて出した写真集「SKINHEADS」の1ページ目に載っている作品なんです。「ベルベルジン(BerBerJin)」で古着の買い付けをやっていたデザイナーの友人から買いました。昔は数万円で買えたんですが、今は高騰しちゃって市場価値的には20万円とかするものなので、希少性の高い一枚です。
F:スキンズのどういったところに魅せられるのでしょう?
TEPPEI:単純にこの時代背景に生きていた若者たちの佇まいが好きなんです。実際に同じ場所で同じ時間を過ごしてきたわけではないから、どういう言葉で彼らを表現したらいいかはわからないんですが、ただただリスペクトをしていて、自分のファッション表現のルーツの一つでもあります。スキンズのTシャツもたくさん持っていて、その日のスタイルと気持ちを整えるために着るんですけど、Tシャツのグラフィックが持つメンタリティから影響されている自覚があるんですよね。見た目もですね、気づいたら坊主だし(笑)。
国や時代背景は違うんですけど、彼らの生き様や偶像に思い焦がれているところがあるので、僕はそういった心情を自分の人生や境遇と重ね合わせながら人物ごと、撮影ごとにスタイリングに描写し続けているっているんだな、って最近気づいたんです。そこで自分自身を奮い立たせるために、こういうTシャツを着る。反抗心とまではいかないけど、何かにアゲインストな感情を持ちながら生きるという身の置き方が好きなのかもしれません。
F:なにか強いものを感じますよね。そこからファッションや音楽、カルチャーというものが生まれているわけですし。
TEPPEI:その中で、彼らのファッションスタイルや生き様っていうのは少なからず写真には残っている。僕はそこに強さや美しさ、儚さということを感じていて、ファッション表現をしながら自分の原動力に変えているっていう節があるんです。
F:自分を奮い立たせる服。
TEPPEI:そうですね。気持ちを変換してくれる一枚です。
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