今年のお買い物を振り返る「2022年ベストバイ」。ラストとなる24人目はサカナクションの山口一郎さんです。2年ぶりの開催となった全国ライブツアーで幕開けした今年。療養のためのお休みを経て、主にSNSでの発信から少しずつ活動を再開しています。模様替えをしたという自宅のリビングにお邪魔して、リラックスした雰囲気の中で聞いた山口一郎さんの今年買って良かったモノ10点。
目次
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COMME des GARÇONS HOMMEのパンツ
FASHIONSNAP(以下、F):11月16日(=いい一郎の日)を機に、少しずつ活動されていますね。
山口一郎(以下、山口):まだ半分くらいは療養中で音楽制作はお休みしていますが、体調を見つつSNSなどから一歩ずつ始めています。以前までは収録や撮影などでの外出が多く、その帰りに買い物などをしていたので、療養中は難しかったですね。行ける場所も限られていましたし。
F:本企画では山口さんのユニフォームなど定番品をいつも一品目に紹介してもらっていました。今年はそのような服はありましたか?
山口:手に入れたのは後半でしたが、これですね。今も履いている「コム デ ギャルソン オム(COMME des GARÇONS HOMME)」のパンツです。
F:ギャルソンのパンツは過去にもベストバイ入りしていて、山口さんのワードローブという印象です。
山口:前はプリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)のパンツを履いていたんですが、最近はこういう太めの形を扱っていないらしく。それでオム(COMME des GARÇONS HOMME)の方をのぞいてみたら「コレだ」と思ったものを見つけて、新しいユニフォームになりそうだったので2本買いしました。履き潰すことになるんじゃないかなと思うぐらい気に入っています。
F:かなり太いですね。そして少しサルエルパンツのようなパターン。
山口:そう、腰から少し落ちたようなシルエットが好きなんです。僕はスニーカーが多いのですが、裾が靴にひっかかって溜まるのが好きじゃなくて、ある程度ドカッと太い方がいい。その条件も満たしてくれましたね。
F:今日、合わせて着ているモヘアのニットもギャルソンでしょうか。
山口:はい、これもお気に入り。よく見ると「COMME des GARÇONS」と書いてあるんですけど......。
F:モケモケで読めない......。
山口:そこも気に入っています(笑)。このパンツは家の中でも外でも履いていますね。太いパンツを探している人にはすごくいいんじゃないかな。
F:以前の取材で、ギャルソンは毎日何か一品は身につけていると話していましたね。
山口:それは変わらずです。ギャルソンと、あとマルジェラもそうですがお店の方が僕の体調のことを知ってくれていたり、僕の好みもわかってくれているんですよね。でもたまに「これは着ないですよね」というものを僕が選んだりして裏切ることもありますけど(笑)。そういう意味で今年もお世話になりました。
JUNYA WATANABEのジャケット
山口:もうひとつ見つけた定番が「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」のアウターです。外出はまだ頻繁ではないですが、よく着ていました。
F:前回もウィメンズのジャケットがベストバイに入っていましたね。
山口:毎年ジュンヤのアウターを1着買う、というのが続いていて。これもウィメンズなんですが、性別関係なく着られると思います。
F:キルティングライナージャケットをベースに、MA-1のディテールを取り込んだデザインです。
山口:すごく着やすいんですよ。中にフーディとかニットとか、何でも着られるし。袖口に毛玉ができるくらい着ていますね。あと僕、アウターを選ぶ基準のひとつがネックウォーマーを着けられるか、なんです。これはバッチリ。
F:マフラーではなくてネックウォーマー派なんですね。
山口:マフラーって垂れてくるじゃないですか、それがいやで(笑)。
F:そういうものですからね(笑)。
山口:なので、流行り廃り関係なくネックウォーマー一択です。7〜8年前のカラー(kolor)とか、3年くらい前のマルジェラ(Maison Margiela)とか、あと最近はソロイスト(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)のもお気に入り。
F:ちなみにアイウェアもたくさん持っていますよね。今掛けている眼鏡は?
山口:「ネイティブサンズ(NATIVE SONS)」です。年齢によってだんだんと丸眼鏡が似合うようになってくる気がして。新渡戸稲造とかジョン・レノンみたいに(笑)。
COMME des GARÇONS HOMME PLUS 縮絨セットアップ
F:セットアップといえば、前回のベストバイでは「シュタイン(stein)」のセットアップを"新しい定番"として挙げていました。
山口:それからセットアップを集めているんですよ。「コモリ(COMOLI)」とか素材とシルエットがものすごく良くて、別格だなあと思ったり。それと同じくらい気に入って、よく着ているのがこのプリュスです。
F:ギャルソンの代表的な縮絨(毛織物を縮めてフェルト状にする加工)ですね。
山口:最近のコレクションは花柄など鮮やかなデザインが多かったので、少し離れていたんです。でもこれを見つけた時、久々に自分のユニフォームになりそうだなあと思ったんですよね。
F:東京で開催されたプリュスのショーでも特に目立ったルックでした。コレクションでは鮮やかなカラーが提案されていましたが、こちらは山口さんならではのブラック。
山口:ジャケットは3型ほどデザインがありましたが、選んだのはクラシックなタイプです。でも襟が歪んでいたり、肩が落ちた感じなどが独特で。裏地が飛び出していたり、袖をロールアップしてもかわいい。あとパンツのディテールで面白いのが、裾だけ少し縫われていて細くなっているんですよ。
F:いわゆる「スーツ」といった感じとは違いますね。縮絨ならではの風合いも、身体に馴染みそうです。
山口:着ていると少し毛玉のようになっていくんですけど、それもいいなと思っているんです。普通だと嫌じゃないですか、毛玉って。でもそれが着ていた証になっていくのも、なんだかいいなって。
F:こちらも少し大きめのサイズ感なので、中にニットなど色々と合わせられそうです。
山口:実はこれ、もう少しタイトなサイズのも持っていて。
F:2着買いしたんですね。タイトな方はどんなものを中に着ているんですか?
山口:それが、めちゃくちゃ良いインナーを見つけちゃったんです。「カルデサック(Cul de Sac)」ってわかりますか? こういうヒバを使ったプロダクトを出している。
F:はい、ルームスプレーは知っています。
山口:他にも色々と出しているんですよ。僕もルームスプレーから入って、歯磨き粉とかハンドソープとか、タオルもあるんですけど、色々と見ていたらアパレルもあって。試してみたらすごくいい。買い置きがあるので、1つ開けますね。
F:サラッとした素材感のTシャツ。なるほど、この「Filhiba」というのがオリジナルの繊維で、青森ヒバの精油が練り込まれていると書いてあります。
山口:抗菌作用があるらしくて、匂いもつきにくい。でも僕がいいなと思ったのは形ですね。普通なんだけどちょっと変というか、それがいいんです。ロンTもあるのですがパターンが面白くて。
F:山口さんはちょっと違和感のあるものが好きですよね。調べてみたら、ブランドコンセプトに「まじめにふざける」と書いてありました。
山口:まさにそんな感じですね。カルデサックって、元々ファッションをやられていた方が作ったそうなんです。なるほどな、と。暑い時期もよく一枚で着ていました。本当におすすめです。
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