2022年も残りわずか。ビューティ業界は依然としてコロナの影響を受けつつも、未来に向けてハイスペックな製品が続々登場。2022年のビューティトピックの振り返り前編では、メイクアップで気持ちを高めるムードが徐々に広がる中、最新技術搭載で競争が過熱するリップ、さらには日本でも市民権を得てきたフレグランスの盛り上がり、海外セレブの新ビューティブランドについてピックアップ。
新作リップ続々、最新技術搭載でクオリティ競争が激化
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マスクの着用が習慣化したことでここ2年間”落ち着いていた”リップ市場。昨年発売された「ケイト(KATE)」の「リップモンスター」が落ちにくさや発色の良さで話題を集め”一人勝ち”したことで、今年はせきを切ったように各社から新作リップが登場しました。落ちにくさや発色の良さは当たり前。落ちにくさの代表的なマットだけでなく、ツヤ感のある質感も登場し、塗り心地の良さや唇のケア効果、繊細なニュアンスなどプラスαの提案があり、”クオリティ競争”が激化しています。
「シャネル(CHANEL)」はブランド初のプレミアム リップスティックとして、スリムな芯で唇に塗りやすく、ラグジュアリーなツヤが持続する「ルージュ アリュール レクストレ」を発売。「アールエムケー(RMK)」の「RMK リクイド リップカラー」は”グロスでもリップスティックでもない”透け感のあるカラーと濡れたようなツヤが人気に。「ナーズ(NARS)」の「パワーマット リップスティック」は独自のパワーピグメントコンプレックスによりマットなのに軽やかな塗り心地を実現。「ディオール(DIOR)」の「ルージュ ディオール フォーエヴァー スティック」はマスクプルーフ効果とリップケアを同時に叶えるハイブリッド処方になっています。
2023年春のコレクションでも、「スック(SUQQU)」や「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART Beauty)」「スリー(THREE)」などから新作リップが登場。来年はさらに競争が激化しそうです。
フレグランス人気が過熱、初上陸ブランドも
コロナ禍で打撃を受けたビューティ業界で反対に盛り上がりを見せたフレグランス市場。今年も引き続きフレグランス人気は衰えず、ビジネスチャンスを求め、海外ブランドも続々と日本に上陸。また、ファッションブランドによるフレグランスのローンチ、エントリー層の拡大を狙ったフレグランスブランドによるハンドクリームなどのボディケアアイテムの拡充も目立ちました。自然由来成分による処方のトレンドを抑えたフレグランスの登場も見逃せません。
7月に上陸したロンドン発のパフィーマリーとヒーリングを融合させたウェルビーイングブランド「バイラオ(vyrao)」はヴィーガン処方で、ファッション業界での経験を持つ創業者のヤスミン・スウェル(Yasmin Sewell)のクリエイティビティが光るデザインが特徴。三越伊勢丹によるフレグランスの祭典「サロン ド パルファン」で日本に初上陸したフランス発の「メゾン クリヴェリ(Maison Crivelli)」は、会期中の好評を受けて再度日本で販売するべく、単独のポップアップを開催中です。ニッチフレグランスに特化した「ノーズショップ(NOSE SHOP)」では、フランス発のブランドで金箔入りのフレグランスがアイコニックな「アトリエ デ ゾー(Atelier des Ors)」、イタリア発でスプレー缶タイプのフレグランス がユニークな「ステップ アボード(Step Aboard)」などの日本初の取り扱いを始めました。
またコロナ禍を経て渡航制限が緩和され、今年は多くの調香師が来日し自身のフレグランスの魅力を発信。ジャン=クロード・エレナ氏やティエリー・ワッサー氏、ジャン-ミッシェル・デュリエ氏など重鎮と呼ばれる調香師も来日し、こだわりの香り作りに多くの人が魅了されました。
ファッションブランドによるフレグランスローンチも話題に。「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のフレグランスは10種類の香りをそれぞれ別の調香師とタッグを組み作り上げています。「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)」のビューティラインは今年4月に誕生し、11月には日本に上陸。ヴァージルらしい工業製品のようなデザインもファンの心を掴んでいます。「ロエベ フレグランス」も日本での本格的な展開にともない、常設店をオープンしました。
このほか、「ディオール(DIOR)」がアルコールフリーの水と花々のみで作った「ジャドール パルファン ドー」や「ランコム(LANCOME)」初のナチュラルフレグランス「メゾンランコム ミル エ ユヌ ローズ」など、まろやかな香り立ちが新鮮なアイテムも話題に。「ゲラン(GUERLAIN)」や「コスメデコルテ(DECORTÉ)」のハンド・ボディケアアイテムも人気を博しました。
海外セレブの新コスメが続々!あの大物も参入
海外セレブのプロデュースブランドはいつの時代も注目の的。ビューティ業界は参入障壁が低いと言われ、これまでもさまざまなセレブたちがコスメを展開してきました。最近ではSDGsを意識した商品開発や、LGBTQ+コミュニティの支援などブランドを通じてメッセージを発信することも少なくありません。
今年ローンチされたブランドの中でも特に話題となったのが、ブラッド・ピット(Brad Pitt)が手がけたスキンケアブランド「ル・ドメーヌ(Le Domaine)」、ケイト・モス(Kate Moss)がプロデュースする新ビューティー&ウェルネスブランド「コスモス バイ ケイト・モス(Cosmos by Kate Moss)」。ヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)は自身のミドルネームにちなんだブランド名である「ロード・スキン(rhode skin)」を立ち上げ、アリシア・キーズ(Alicia Keys)は、ビューティブランド「エルフ・コスメティックス(e.l.f. Cosmetics)」とのパートナーシップで展開するビューティブランド「Keys Soulcare」からカラーメイクを発売しました。ブラッドとケイトのブランドはいずれも、2人の長年の経験を詰め込んでいるのがポイント。ル・ドメーヌには、ブラッドがワイン製造用に所有するフランスのブドウ園シャトー・ボーカステル(Château Beaucastel)で栽培されたブドウの成分を使用。また、他ブランドの価格相場が1万円以下なのに対し、アイテム最低価格はクレンジングで77ドル(約1万円)、最高価格はセラムで(約5万2000円)と”ハリウッド価格”になっています。
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