「ザラ(ZARA)」を中核ブランドにするスペインのSPA企業インディテックスの第2四半期(2022年2月1日〜2022年7月31日)決算が9月14日発表になった。主要数字は以下の通り。
ADVERTISING
・売上高:148億4500ユーロ(前年比+24.4%、約2兆1228億円、1ユーロ=143円で換算) ・EBITDA(金利&減価償却&税前利益):40億2900万ユーロ(同+29.9%、約5761億4700万円) ・EBIT(支払い利息&税金控除利益):24億3100万ユーロ(同+44.3%、約3476億3300万円)
これはコロナ禍前の2019年1月〜7月の第2四半期と比較しても、売上高は+15.8%、EBITDAは+16.9%、EBITは+19.2%という驚異的な第2四半期決算だ。市場別売上高では本国スペインが+25.3%、その他のヨーロッパ(全体の40%強)が+24.9%、北南米(全体の約20%)が+44.5%と高伸長、中国は前年割れしたが、アジアとその他の地域は+7.2%だった。第3四半期に入った8月1日〜9月11日の実店舗&ECの販売は前年同期比+11%で推移しているという。この間の前年比は若干伸び悩んでいるのが気になる。
今期のインディテックスは、創業者のアマンシオ・オルテガの娘であるマルタ・オルテガ・ペレス新会長と新たな最高経営者(CEO)オスカー・ガルシア・マセイラス、そして2019年から同社CEOだったカルロス・クレスポが最高執行責任者(COO)という新経営体制で望んでいるが、上々の滑り出しのようだ。マセイラスCEOは、「ビジネスモデルはフルスピードで進化しており、今後も高成長が可能だ」と自信を見せている。
株式市場はこの3人による経営体制を評価せず、インディテックスの株価は今年3月には20ユーロを割り込み、高値から40%以上の下落を見せていたが、ジリジリと株価は上昇し、業績も好調で見直しが進んでいる。
また同日の半期決算発表の席上、同社のイグナチオ・フェルナンデス最高財務責任者(CFO)は、コスト上昇のためこの秋に、今年の春と夏に続く値上げを行うことを発表。秋の値上げ率は平均で1桁台半ば程度になるとしている。3シーズン連続の値上げは同業他社に比較してかなり強気だ。同業他社の多くは、生活必需品の大幅値上げで衣料消費に充てられている生活費の減少を見込んで値上げには消極的で販売量を死守する方針が大多数だがインディテックスの強気の値上げに注目したい。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【セブツー】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境