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23年春卒業予定者・就職意識調査 業界への就職希望者が90%割る

23年春卒業予定者・就職意識調査 業界への就職希望者が90%割る

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 繊研新聞社が23年春卒業予定のファッション専門学校生に実施した「就職意識調査」の結果がまとまった。ファッションビジネス業界の厳しさを反映するように、業界への就職希望者の比率は90%を下回る結果になった。会社を選ぶ際に重視することなどにも変化は見られる。回答者数は全国1377人(男性332、女性1035、不明10)。

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業界への就職希望者が90%割る

 「ファッション業界へ就職を希望する」学生の比率は、88.9%と前年から1.8ポイント下がった。13年実施(14年春卒業予定者)の時以来、90%を割る結果になった。直近では20年実施から3年連続で低下している。

 「希望しない」は0.8ポイント増の9.6%、「不明」は0.7ポイント増の1.5%だった。希望しない理由は「他のことに興味がある」が最も多く、「独立する」「進学」「帰国」なども目立った。

 就職する会社を選ぶ際に重視することは、「作っている商品・ブランド」「給与・待遇」が前年同様に1、2位となり、比率をそれぞれ5ポイント以上上げた。3位の「企業イメージ」は前年4位、4位の「勤務地」は前年5位から浮上した。コロナ禍を通じ、会社を選ぶ時の見方も多少変わってきた。

 活躍したい業種については、1位「総合アパレルメーカー」と、2位「婦人服メーカー」は前年と同じ。3位「その他・異業種」と4位「専門店」は前年と順位が入れ替わった。その他・異業種の記述には、衣装をはじめ、スタイリスト、ブライダル、古着屋が目立った。ほかに前年から順位を上げたのは5位「ネット販売・カタログ販売」(前年7位)、8位「紳士服メーカー」(9位)、11位「百貨店」(14位)、16位「スポーツメーカー」(17位)。

 希望する職種は、1~3位が順に「デザイナー」「ファッションアドバイザー」「パタンナー」で前年と同じ。4位は前年に続く「製造オペレーター」と、前年7位だった「スタイリスト」の両者になった。1~4位について、回答者数に対する比率を見ると、デザイナーが2.2ポイント上昇、スタイリストが2.1ポイント上昇したのに対し、これら以外は全て比率が下がった。

 就職する会社を選ぶ時に参考にするものについては、前年と全く同じ順位という結果になった。コロナ禍以降、就職難が続いてきたこともあり、1位の「学校」は、回答者数に占める比率が7.7ポイント増の51.3%となった。

注目している企業1位はファストリ

 「注目している企業」は、ファーストリテイリング(ユニクロ含む)が3年連続で1位となった。理由は売り上げ規模が大きいことをはじめ「全世代に支持されている」「協業や戦略が面白い」「SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み」「値上げでどうなるのか」「危機的な円安にどう対応していくのか」などがあった。

 2位はアダストリアで、こちらも3年連続。「好きなブランドがある」「多くのブランドを展開している」「アパレル以外にも展開している」などの回答が目立った。3位は前年6位だったパルグループで。ナイスクラップの6票も含めて合算した。こちらも「好きなブランドがある」「アパレルだけでなく雑貨なども提案している」などの理由が目立った。

 4位は前年5位のコムデギャルソン。「好きだから」「高い質のクリエイション」「世界的に活躍する日本のブランド」などの声があった。ドーバーストリートマーケットギンザの3票も含む。5位はビームスで、前年7位から浮上した。「小売店の存在価値を新たに打ち出している」「新しいことにどんどんチャレンジしている」点などが注目された。

 6位はTSIグループで、前年は10位以下だった。上野商会やジャックの票も含む集計にした。7位は前年3位だったマークスタイラー。「ブランドが好き」や「ECやSNSに注力している」などが見られた。

 8位はストライプインターナショナルで、前年10位以下から順位を上げた。ストライプは前年12位。キャンの票がストライプインターナショナルを上回る勢いだった。9位のアイア、10位のマッシュグループはどちらも前年と同じ順位という結果になった。

就職したい企業はパルグループ

 「就職したい企業」はパルグループが初めて1位になった。前年は5位だった。「好きなブランドがある」はもちろん、「実力主義」「積極的に挑戦することができる」などを理由に挙げる声も多かった。

 2位は前年と同じくコムデギャルソン。「ブランド力がある」「常に新しい物作りに自分も携わりたい」などの声があった。3位は前年1位のマークスタイラー。「好きなブランドがある」が目立った。

 4位は前年10位のストライプインターナショナル。注目している企業同様、キャンの票が多かった。どちらも企業理念や「女性に優しい制度が魅力的」といった待遇に関する理由があった。5位はTSIグループで、前年12位から浮上。「好きなブランドがある」をはじめ、安定性、会社や社員の雰囲気などが理由に挙がった。

 6位はベイクルーズが前年12位からランクを上げた。「ファッションに対する熱量が大きい」「社員育成が徹底されていると感じた」などが挙げられた。7位は前年4位のアダストリアだった。

 8位は前年6位のファーストリテイリング。「安定していそう」「企業として将来性があり、常に成長している」などの記述が見られた。9位はビームスで、昨年は14位だった。10位はディーゼルジャパンで、16年の調査で9位になって以来、久々に上位に入った。

(繊研新聞本紙22年7月15日付)

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