アダストリアは自社EC「ドットエスティ」の物流を担う茨城西物流センターを全面リニューアルし、9月1日から本格稼働する。運営は子会社のアダストリア・ロジスティクス(茨城県茨城町、中嶋俊介社長)。出荷業務とスタッフの作業負担を低減しつつ、自社ECサービスの価値を一層高める。
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総面積は約4万9500平方メートル。ドットエスティの成長に対応するため、2年ほど前からリニューアルに向けて動いていた。投資額は約15億円。
今回の重点は、機械化によって「人が歩く範囲を徹底的に減らすこと」(森泰憲国内物流管理部シニアマネージャー)だ。自動搬送ロボット120台と移動棚1400台をはじめマテハン機器を導入した。1日当たりの出荷件数は、これまでの最大1万9000件から最大3万4000件まで可能となり、作業生産性は現状の運用に比べて約1.6倍の向上を見込む。
加えて、ECサービスの付加価値も向上させる。通常業務の作業時間は従来の40%を削減。その分、丁寧な梱包(こんぽう)や返品業務などに人員を充てる。自動化や省力化が進んでも、ドットエスティの利用が増えれば人の力は今後も必要という。
同社は長く、自社で物流を管理してきた。同社の約30ブランドの膨大な在庫を最適に、かつ効率的に動かすためだ。引き続き、自社物流センターの利点を生かしながら、バリューチェーンの最適化をいろいろな観点で図っていく。将来的には「同業他社と一緒に取り組み、作業効率化やコストの低減につなげられれば」(林正武上席執行役員ロジスティクス本部長)とも考える。
ドットエスティの売上高は311億円(22年2月期)で、会員数は1400万人を超える。今春から他社ブランドの販売も始め、今後、ドットエスティの需要のさらなる拡大に期待する。
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