消費者庁は、景品表示法の検討会を立ち上げる。同法は、今年2月に報告をまとめたアフィリエイト広告規制で、「規制対象」とする事業者に関する議論が遡上に挙がっていた。「幅広く議論してもらう。規制対象も委員からご意見があれば議論から排除しない」(表示対策課)と、対象拡大の議論が改めて行われる可能性がある。
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景表法は、前回改正から昨年4月で5年が経過。デジタル化の進展、社会環境の変化を踏まえ、厳正・円滑な法執行による不当表示等の早期是正に向けた方策を多角的に検討する。月1回ほどのペースで開催。年内に報告書をまとめる。
庁内に組織した「景品表示法検討プロジェクトチーム」が事務局を担う。チームは、表示対策課、消費者制度課の計10人ほどで組織する。消費者制度課は、消費者契約法、消費者団体訴訟制度等に係る政策を所管する。ただ、「庁内で余力のある課に応援を依頼しただけ」(同)としており、検討内容を想定したものではないとする。
検討委員は7人。学識経験者4人、弁護士2人に加え、業界側から日本経済団体連合会(経団連)、消費者側から全国消費生活相談員協会(全相協)が参加する。2団体は、課徴金を導入した前回改正でも委員を務めており、「デジタル関連だけでなく幅広い観点で意見をいただくため」(同)。必要に応じ、関連する他団体からのヒアリングも行う。
景表法の運用で業界、消費者サイド双方の関心が高いのは、規制対象に関わる議論だ。「アフィリエイト広告等に関する検討会」では、「商品の供給者(広告主)」以外の関係者の直接規制など、景表法の責任主体拡大に関する議論があった。
報告書は「慎重に検討すべき」として、法改正を含む結論は見送っている。一方で、今回の施策で広告の適正化が進まない場合、「供給主体、責任主体の位置づけの見直し等も検討すべき」とも触れ、含みを持たせている。
これについて、消費社長の伊藤明子長官は、3月9日の定例会見で「これから議論することで、私の方からこの範囲でやりますと申し上げるつもりはない」と話すにとどめた。
ただ、デジタル化の進展でウェブ広告の運用複雑化などの課題が指摘される中、規制対象も重要な検討課題として議論の遡上にあがる可能性はある。対象範囲の拡大が与える影響も非常に大きい。
検討会は、座長に中川丈久神戸大学大学院法学研究科教授が内定。委員は、大屋雄裕慶應義塾大学法学部教授、沖野眞巳東京大学大学院法学政治学研究科教授、小畑良晴経団連経済基盤本部長、川村哲二弁護士、白石忠志東京大学大学院法学政治学研究科教授、古川昌平弁護士、増田悦子全相協理事長。公正取引委員会、全国知事会、国民生活センターがオブザーバーとして参加する。
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