丸井グループが、「渋谷モディ」4階をインクルーシブなフロアに一新した。オーダーメイドのビジネスウェアブランドを展開するFABRIC TOKYOと、知的障がい者のアート作品を製品化するヘラルボニーの2社と手を組み、「アーバンリサーチ ドアーズ(URBAN RESEARCH DOORS)」が店舗を構えていた区画にFABRIC TOKYOの「オールジェンダーストア(All-Gender Store)」を移設するほか、ヘラルボニーのポップアップを展開。また、障がい者も利用しやすい設備を整えた「みんなの試着室」や店内通路への点字ブロック、トイレまでの距離表示看板を導入するなどユニバーサルデザインを取り入れた。
オーダーメイドのビジネスウェアブランド「ファブリック トウキョウ(FABRIC TOKYO)」は、2018年から渋谷モディに店舗を構え、昨年8月からは年齢や性別を問わず利用できるオールジェンダーストアを出店。今回の移設では売り場面積を拡張するとともに、バリアフリー化を推進した。試着室はパラアイスホッケー銀メダリストの上原大祐氏の監修のもと、車椅子でも利用しやすい環境を整備。壁面だけではなく天井に鏡を設置し、横になった状態で全身をチェックできるようにした。同社によると日本初の仕様となるという。ヘラルボニーとは知的障がいのあるアーティストが手掛けた作品を裏地にあしらったコラボレーションジャケットを制作。3柄を用意し、渋谷モディの店頭で3月17日から先行予約を受け付けている。なお、売上のうち8%がアーティスト支援に充てられる。
ADVERTISING
ファブリック トウキョウのオールジェンダーストアの内部
Image by: FASHIONSNAP
ヘラルボニーのポップアップ「HERALBONY CARAVAN in 渋谷」では、作品をデザインに起用したアートプロダクトを販売。3月21日の世界ダウン症の日と、4月2日の世界自閉症啓発デーは連動企画としてフォトブースの設置も予定している。ポップアップは4月27日まで開催予定。
ヘラルボニーのポップアップの様子
Image by: FASHIONSNAP
丸井グループが導入したみんなの試着室は1部屋を用意。他フロアで購入した商品を試着することができる。内部には筆談具や車椅子の充電器などを備え、車椅子利用者が使いやすい環境を整えた。
みんなの試着室
Image by: FASHIONSNAP
渋谷モディは昨年4月に大規模改装を実施し、「コンテンツフルなテナント」「スタートアップ支援」「すべての人にやさしい店内環境」の3本を軸にした商業施設へと転換を進めている。4階フロアではダイバーシティとインクルーシブを発信し、将来的には館全体で展開することで、渋谷区の基本構想「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」を具現化する館を目指すという。なお、みんなの試着室や点字ブロックといった施策は一部の丸井グループ店舗で導入しており、グループ店舗全体でインクルーシブに取り組んでいきたい考えだ。
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境