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SEVENTIE TWOでは、毎月ファッション&アパレル関連83銘柄の株価騰落ランキングを発表しているが、今回は今年の1月分をまとめた。
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日経平均株価の概況は、大発会(1月4日)は2万9098円の初値で順調にスタートしたが、オミクロン株による第6波感染拡大が新年開始とともに始まったために、1月27日には2万6044円まで下落している。実に3054円、10.5%の下げ幅だ。さらにこの他にも、緊迫するウクライナ情勢、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ観測、インフレ進行などのマイナスファクターが加わった。これほど悪条件が重なったにしては、3054円、10.5%の下落は踏ん張った方ではないかという気もしている。当然のことながら、SEVENTIE TWOが選んだ83銘柄中、値上がりは19銘柄、変わらずは1銘柄、値下がりは63銘柄だった。「とりあえず持っている株資産は売っておこう」という弱気な投資姿勢が前面に出た恰好だ。日経平均株価のこの間(1月4日初値〜1月31日終値)の変化は−7.3%、83銘柄の株価合計は−3.1%だった。
上昇率第1位(+16.6%)はベビー・子供服の企画販売を行うナルミヤ・インターナショナル(以下ナルミヤ)だった。ワールドが1月13日に、ナルミヤの株式に1株1230円でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したためだ。ワールドは2018年6月にナルミヤの株式を10.0%取得し、2019年3月には25.0%まで買い増しを行なっていたが、持分適用関連会社にとどまっていた。今回のTOBで保有比率を51.58%まで高め、完全子会社化する。TOB費用は約33億円でナルミヤの上場は維持する。ナルミヤの2022年3月期決算は売上高345億円(前年比+16.9%)、営業利益17億円(同+65.9%)の予定だ。ワールドにとっては比較的手薄なベビー・子供服分野の強化にもつながってくる買収になる。
では、買収したワールドの株価を見てみると、今回のランキングでは47位で騰落率は−5.2%と冴えない。どうも投資家はあまり今回のTOBを評価してはいないように見える。
上昇率第2位(+10.1%)はセブン&アイ・ホールディングスだった。同社は株主からの圧力で、最近いくつかの子会社の整理を発表している。最大のものは同社の百貨店事業であるそごう・西武だ。そごう・西武は2006年に2000億円超で子会社化していたが、それから15年を経てこれを売却する方向で最終調整に入っているというニュースを日本経済新聞が1月31日にスクープした。売却価格は買収価格と同じ2000億円程度になるという。どうもすでに売却先は決まっているようなニュアンスである。この情報はすでに海外機関投資家などの耳には1月中に入っていたのではないだろうか。さらに2月には100%子会社のスポーツ専門店オッシュマンズを3月1日付でABCマートへ売却する発表も行なっている。これが「赤字子会社売却の圧力をかけた」海外機関投資家などには大好評だったのだろう。1月13日から2月3日にかけて株価は大きく上昇している。株主を重視した経営の典型例と言っていいのではないだろうか。
上昇率第3位(+6.3%)はANAP。ANAP株はちょっとした材料で大きく株価が上下する傾向がある。同社はネット販売比率50%のヤング向け衣料・雑貨ブランド「ANAP」を展開する年商60億円ほどの企業だが、今回の材料は「メタバース」。昨年12月9日に「メタバース領域に事業参入する」と同社が発表したのが材料視されて、12月10日に前日比80円高のストップ高402円での買い気配になった急騰相場を1月中も続けていた。同社のファッションアイテムなどを仮想空間で利用可能な形にデジタル変換し、企業の参入を支援するメタバースファッションプラットフォーム「アパレリッド・メタ・コネクタ by ANAP」の提供を今後始めるという発表だ。このソフトを使えば、その企業が保有する洋服や小物などのファッションアイテムの採寸データとアイテム画像素材を入力することで、メタバース空間に適したファッション素材に変換できるのだという。第1弾として、同社が販売するファッションアイテムをバーチャルアイテムに変換し、同プラットフォームを用いてメタバース空間で販売する。昨年12月14日には、754円という高値、今年1月24日にも524円という年初来高値をマークしているが、2月に入り300円台まで株価が戻り急騰相場の火は消えたように見える。
※「SEVENTIE TWO」ファッション&アパレル関連83銘柄
スノーピーク、ハニーズホールディングス、ライトオン、バロックジャパンリミテッド、ミズノ、ニトリホールディングス、TOKYO BASE、ゴールドウイン、キムラタン、ゼビオホールディングス、グンゼ、アツギ、TSIホールディングス、パルグループホールディングス、エニグモ、近鉄百貨店、タビオ、イオン、山喜、タキヒヨー、フェスタリアホールディングスナイガイ、ドウシシャ、コナカ、カッシーナ・イクスシー、ヤマト インターナショナルヤギ、しまむら、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、シャルレ、ワコールホールディングス、ZOZO、堀田丸正、パレモ・ホールディングス、ダイドーリミテッド、ナルミヤ・インターナショナル、夢展望、川辺、チヨダ、AOKIホールディングス、井筒屋、サマンサタバサジャパンリミテッド、千趣会、ワークマン、メルカリ、デサント、松屋、マツオカコーポレーション、4℃ホールディングス、良品計画、三越伊勢丹ホールディングス、MRKホールディングス、クロスプラス、サックスバー ホールディングス、ABCマート、はるやまホールディングス、ムーンバット、高島屋、J.フロント リテイリング、タカキュー、アダストリア、ダブルエー、セブン&アイ・ホールディングス、コックス、エイチ・ツー・オー リテイリング、丸井グループ、ワールド、三陽商会、ルックホールディングス、青山商事、ラピーヌ、オンワードホールディングス、ANAP、コメ兵ホールディングス、キング、西松屋チェーン、ファーストリテイリング、ユナイテッドアローズ、アシックス、ジンズ、ロコンド、BASE、東京ソワール
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