ポーラ・オルビスホールディングスHPより
ポーラ・オルビスホールディングス(HD)が、2021年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比1.3%増の1786億4200万円、営業利益が同22.8%の168億8800万円、経常利益が50.8%増の189億6800万円、親会社株主に帰属する当期純利益が153.3%増の117億3400万円と増収増益だった。基幹ブランドの「ポーラ(POLA)」の増収増益が牽引し、ほか育成ブランドの「ディセンシア(DECENCIA)」の好調や、当期に「フジミ(FUJIMI)」を完全子会社化した影響もあった。
ポーラは、国内でオンラインカウンセリングの強化などコロナ禍以降、ECチャネルに注力してきたことが奏功。またOMO(Online Merges with Offline)の推進で、デジタル接点からリアル店舗への送客にも重点を置くなど、百貨店事業を中心にオフライン店舗での新規顧客獲得が前年を上回った。海外事業は中国市場における中長期的なブランドロイヤリティの維持・向上を目指した結果、好調に推移。売上高が同2.2%増の1051億6800万円、営業利益が同49.8%増の163億7400万円だった。
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基幹ブランドの「オルビス(ORBIS)」は、海外の主要ECプラットフォームでの売上高の伸長があったものの、コロナの影響による国内事業の売上減少を、海外での成長によりカバーするには至らず、売上高は同4.5%減の433億8900万円、営業利益が同19.1%減の59億2500万円と、前年実績を下回る結果となった。ただし、国内では高機能スペシャルケアの拡充などでスキンケアの売上高が前年を上回る水準まで伸長した。
「ジュリーク(Jurlique)」と「H2O PLUS」を展開する海外事業は、ともに売上高は前年を上回ったが、早期黒字化のためのコスト構造良化に向けた一時的な費用の計上により、営業損失は拡大する結果となった。育成ブランドは、ディセンシアが既存顧客を中心としたECチャネルでの売上成長に加え、フジミの完全子会社化の影響による売上成長で、育成ブランド全体で前年を上回る売上高だった。一方で、コロナの影響を大きく受けた、「スリー(THREE)」の売上減少が響き、営業利益は前年を下回った。
2029年を最終年の長期経営計画(VISION 2029)を発表。化粧品事業のグローバル展開とブランドポートフォリオの改革と拡充、新価値を創出し、事業の領域を拡張、研究・技術戦略の強化を基本戦略とし、連結での売上高 3000億円、営業利益500億円、営業利益率15%以上、海外売上高比率30〜35%を目指す。
2022年12月期は、長期経営計画(VISION 2029)の1stステージとして、「国内ダイレクトセリングの進化/海外事業の利益ある成長/育成ブランドの利益貢献/新ブランド創出・事業領域の拡張」に加え、これらの実現に向けて下支えする「経営基盤強化(研究開発、サステナビリティ)」を重点戦略として掲げ実行。連結決算予想は、売上高が同4.1%増の1860億円、営業利益が4.8%増の177億円、経常利益が同6.7%減の177億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.4%増の119億円を見込む。
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