消費者庁は、アフィリエイト広告について、広告主の責任を明確にする。悪質広告主は景品表示法で厳正に対処。取締りでは、特定商取引法との連携も強化する。一方で、すでにある表示の管理指針も改訂。現状は社内体制の整備を念頭に置くが、外部委託の広告の指針を追加する。改訂は、「今夏を前に行いたい」(表示対策課)とする。
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1月28日に行われた「アフィリエイト広告等に関する検討会」で報告書案を示した。委員から概ね賛同が得られた。
広告の責任は、一義的に商品の供給者である広告主に求める。表示主体・供給主体の解釈拡大は慎重に検討し、法改正も見送る。
景表法の「法解釈」の観点からは、基本的にアフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)や広告代理店、アフィリエイターは規制の対象外になる。
一方、「事実認定」の面では、これら関係者が広告主と一体となって事業を行うなど供給主体と認められる場合は景表法を適用する。
また、実質的な指示役を担う個人に対して広告業務禁止命令を行うなど、特商法とも連携して法執行を行う。”何人規制”を行う健康増進法、薬機法の活用、消費者安全法に基づく公表・注意喚起など現行法による重畳的規制を視野に入れる。
報告書は今回の対応後も問題行為が多数発生する場合、法改正を含む責任主体の見直しを検討することも触れた。
「事業者が講ずべき表示の管理上の措置」(景表法第26条)に基づく指針は改訂する。課徴金納付命令の可否を判断する基準の一つ。現状は、社内体制の整備を中心に構成する。新たに「外部委託」の指針を定め、指導、勧告・公表等の運用を積極的に行う。
指針では、アフィリエイト広告等について、「表示内容の確認」、「表示の根拠に関する資料保管」、「表示管理担当者の設置」、「苦情・相談窓口の設置」、「広告である旨の明示」等の事項を定める。
表示内容の確認は、アフィリエイターとの契約における不当表示を行わない旨の取決め、出稿前・後の内容確認を求める。販売実績のあるアフィリエイターを重点的に確認するなど個別事情を勘案した方法の検討を求める。
広告データを含む根拠資料の保管は、広告主のみで対応が困難な場合、契約条項等でアフィリエイターにデータ保管を求めたり、保管期間を定めることを想定する。法執行では、再発防止の観点から広告の「保管命令」を行うことも検討する。
「広告である旨の明示」は、消費者が認識できる文言や文字の大きさ、掲載場所を求める。具体的に記載を求める内容は、すでに行う事業者の実態を把握した上で、庁内で検討。「報酬を得ている旨」等も示す可能性がある。契約面でもアフィリエイターに表示義務として規定し、従わない場合に契約を解除するなどの対応で表示適正化を図るべきとする。
体制整備では、表示管理担当者の配置と定期的な研修の実施、苦情・相談窓口の設置を規定し、問題のある表示が発覚した場合の修正や提携解除などの対応を求める。
このほか、事業者による情報共有体制は、まず民間主導の構築を促す。公正競争規約も視野に、契約内容のひな型や自主ルール作成を求める。悪質広告主の情報は、官民連携による対応を行い、これら広告主への抑止力にする。
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