MIKIKO
Image by: FASHIONSNAP
今年のお買い物を振り返る「2021年ベストバイ」。8人目は、PerfumeやBABYMETALの振り付けで知られるMIKIKOさん。今年は「フミエ タナカ(FUMIE=TANAKA)」のコレクションムービーで自身初の映像監督を務めたほか、星野源の新曲「Cube」ではミュージックビデオで初のディレクションを担当するなど、クリエイションの幅を広げた1年だったそう。自分の買い物は「裏方目線で選ぶのがほとんど」と語る、MIKIKOさんが選ぶ2021年に買って良かったもの6点。
目次
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FUMIE=TANAKA セットアップ
FASHIONSNAP(以下、F):1点目は「フミエ タナカ(FUMIE=TANAKA)」2021年春夏シーズンのセットアップ。軽い素材感かつシンプルなデザインで、汎用性が高そうです。
MIKIKO:着心地最高なんですよ。私は仕事着としてヘビロテしました。仕事柄、服は動きやすさとか機能性重視で、どうしても黒やネイビーのダークトーンを選びがちなんですが、このセットアップは機能性、デザイン、カラー、すべてドンピシャ。上に何か羽織ったりして、いろんな現場で活躍しました。
F:スリットやプリーツ加工など、ディテールが効いています。
MIKIKO:文江さん(デザイナーの田中文江)の服って、シンプルだけどエッジな要素も持ってるというか、大人の女性の心をくすぐるバランスがお上手だなっていつも思うんです。
F:田中さんとの出会いのきっかけは何だったんですか?
MIKIKO:数年前、ブランド名がまだ「ザ・ダラス(THE Dallas)」だった頃に、偶然オンラインで見つけたアイテムが欲しくて。当時は面識がなかったですがインスタで「どこで買えるんですか」ってDMしたんです。
F:MIKIKOさんからいきなりのDMとなると、さぞ驚かれたでしょうね(笑)。
MIKIKO:文江さん(デザイナーの田中文江)からは「まさかあのMIKIKOさんですか?」と返信がきましたね(笑)。それがきっかけで文江さんと連絡するようになって、展示会にもお邪魔したり。このセットアップもオーダーしたものです。DMしてみるものだなぁって感じですよね。
F:フミエ タナカの2021-21年秋冬シーズンではコレクション映像の監督を務めていました。
MIKIKO:自分にとってファッションのクリエイションに関わる仕事は初めてだったんですが、文江さんとはお互いの制作物を見ていたからか、お話をいただいた時はすんなり受け入れられて。コレクションができてから発表までの期間がとても短くタイトではありましたが、文江さんのワイヤーフレームを使いたいっていうアイデアがはっきりとありましたし、コンセプトがしっかりしていたので、制作は案外スムーズだったんです。
F:振り付けを考える時はファッションを意識するんですか?
MIKIKO:「服を綺麗に見せる」のは、ダンサーの仕事の一つだと思っています。そのため、衣装のフォルムや色、体を動かした時の布の揺れなどを捉えて踊ることを意識したり。今回の経験で、ファッションに対する興味が深まったので、こういう仕事はこれからもやっていきたいと考えています。
F:今回は映像でしたが、リアルでの発表が徐々に復活してきているので、MIKIKOさんならではの、ダンサーを使ったショーも見てみたいです。
MIKIKO:ランウェイを歩くモデルの体でしか表現できないものと、筋肉や動きのしなりのあるダンサーでしかできないものってあると思うんですよね。だから、出演者はブランドやショーのコンセプトによって考えるところかなと。
私は、ファッションや音楽、演劇など様々なジャンルがうまく混ざり合えば、まだまだ面白いことができるのではないかと考えていて。ファッションショーの研ぎ澄まされた雰囲気も好きですが、大度さん(ライゾマティクス主宰の真鍋大度)が「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」のショーに参加した映像も新鮮でしたし。もしお話をいただけた時は、業界の垣根を超えた見せ方も視野に入れて作りたいなと思っています。
TOGA PULLA サンダル
F:続いては「トーガ プルラ(TOGA PULLA)」のサンダル。
MIKIKO:これも仕事で重宝していて。スタジオ内とか、ステージの作り立てのセットの上とか、現場で土足禁止のエリアも多いから着脱しやすいサンダルはありがたいんです。トーガのサンダルは脱ぎやすいし、歩きやすい、そして何と言っても可愛い。
F:ブランドの定番アイテムで人気ですよね。トーガの靴は他にも持っていますか?
MIKIKO:サンダルシリーズが好きで、去年のものも買いました。「スイコック(SUICOKE)」とのコラボモデルも持っていて、あれは本当に履いてないみたいに軽いんです。トーガのサンダルだけで10足くらいはあるかも(笑)。
F:デザイナーの古田泰子さんと親交は?
MIKIKO:古田さんとは一昨年くらいにお話しする機会があって、フォーマルをいかに崩すか、ジェンダーレスなデザインについてなど、服に対する考えが興味深く、更に虜になりました。きちんとはしていたいんだけど、どこか個性的でいたいって気持ちをくすぐられますよね。
F:フミエ タナカ、トーガと日本のブランドが続きました。
MIKIKO:職業柄だと思うんですけど、作り手とその人の思考回路が気になるタイプで。「こんな考えのデザイナーさんが作っているんだ」と興味を持つことも多いんです。日本のブランドの方がそういう情報に触れやすいので気になりやすいというのもありますし、サイズ感やシルエットが体に馴染みやすいのも選ぶ理由ですかね。
F:2ブランド以外にはどんなブランドを持っていますか?
MIKIKO:「ステア(STAIR)」(※現在はブランドを終了。デザイナーの武笠綾子は新ブランド「シングス ザット マター」を立ち上げた)のアイテムをインスタグラムで見つけて、衣装で着たいと思い、三田さん(スタイリストの三田真一)経由で借りたのがきっかけでコレクションをチェックしていました。
また「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」はPerfumeの3人が衣装で着ることも多いので、私もPVCのクラッチバッグを持っています。今日も使っているポシェットもマメ クロゴウチのもので、台本、iPhone、あとちょっとした小物が入るちょうどいいサイズ。頂き物ですが今年のベストアイテムのひとつです。
バッグの中身
Perfume COSTUME BOOK 2005-2020
著: 「装苑」編集部編
ブランド: 文化学園 文化出版局
メーカー: 文化出版局
価格: ¥3,960(2021/12/13現在)
FUJIN TREE for CITY SHOP チャイナシューズ
F:続いてもシューズですね。台湾のセレクトショップ「FUJINTREE 355」のオリジナルブランド「フージンツリー(FUJIN TREE)」のもの。
MIKIKO:実はブランドのことはそこまで詳しく知らなくて。よく買い物をする渋谷のシティショップ(CITYSHOP)で夏頃に見つけて買ったんです。
F:購入の決め手は?
MIKIKO:デザインの可愛さもさることながら、決め手はやっぱり機能性です(笑)。チャイナシューズが好きなんですけど、靴底が薄いものは苦手で。このシューズは靴底がしっかりしているので長時間履いても疲れにくいんです。
F:着脱もしやすそうですね。
MIKIKO:もちろんそこもポイントですね。重要です(笑)。
F:欲しいものの選考基準が明確なんですね。買い物で失敗することはありますか?
MIKIKO:オンラインショッピングでよく失敗します。というか服に関してだと成功した数の方が少ないかも...。画像で見ていいなと思っても実物だとちょっとイメージと違うとか、サイズが合わないとか初歩的な失敗を良くします。
F:そうなんですね(笑)。シティショップではよく買い物をするんですか?
MIKIKO:何故だか、急ぎで決めないといけない時に、サッと入ってパッと買うことが多いんですよね。デザインやサイズ感で、「行けば何か見つかるお店」として重宝しています。
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