かっぴー
Image by: FASHIONSNAP
AK5 ニットセーター
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F:「AK5」は「左ききのエレン」でエレンが着用するファッションブランドですね。エレンが作中で着用しているAK5のコート「新月(ニューブラック)」を完全再現するプロジェクトを今年6月に行っていましたが、その新作でしょうか。
かっぴー:はい。コートに続く新作として、「BIN」ディレクターの阿久津誠治さんと作りました。こちらも実際に買って着ていますが、満足のいく仕上がりになったと思います。すごく着心地が良いです。
F:作中では、AK5は世界的ラグジュアリーブランドの「アンナキシ」のストリートラインという位置付けですよね。
かっぴー:品質にこだわったストリートブランドという設定なので、そのバランスが一番発揮できるアイテムはニットセーターだと思ったんです。ラグジュアリー感もストリート感も、どちらの要素も感じられるニットってめちゃくちゃ格好良いんじゃないかなと。阿久津さんと相談して作る中で、シルエットには特にこだわりました。
F:首元はモックネックなんですね。
かっぴー:僕自身が好きだということもあり、モックネックにしたいとリクエストさせてもらいました。
F:ロゴの位置が控えめなので、グッズっぽさが無いです。
かっぴー:漫画からスタートしているブランドですが、グッズではないので、ロゴはなるべく強調したく無かったんです。とはいえ、少しはファンに媚びたデザインを取り入れるべきか、迷うこともあります。例えば、エレンといえば作品を描く際にスプレーを使うので、袖の部分にスプレーが飛んだようなデザインをあしらったら、エレンのファンが買ってくれるんじゃないかとか。アイテムを作る時はいつも頭をよぎりますね。
DAIWA PIER39 ダウンジャケット
かっぴー:「ダイワ ピア39(DAIWA PIER39)」は昨年からずっと気になっていたブランドで。今年に入って購入したゴアテックスのパンツが、ダイワ ピア39で初めて買ったアイテムでした。
F:ダウンジャケットはいつ頃購入されたんですか?
かっぴー:10月位ですね。ものすごく寒がりなので、既に何回も着ています。
F:惹かれたポイントは?
かっぴー:こんなにボリュームがあるシルエットのダウンジャケットって久々に見たので、面白いなと。あとは「ベイマックス」が好きなので、着た時のボリューム感がどこかベイマックスを彷彿とさせるところにも惹かれました(笑)。
F:カーキを選んだ理由は?
かっぴー:実は最初は暗い色が欲しかったので、ブラックを買おうとしていたんです。妻に「絶対こっちの方がいい!」とアドバイスをもらってカーキを買うことにしました。
F:服選びでアドバイスを求めることは多いんですか?
かっぴー:そうですね。割とアドバイスはもらうかもしれません(笑)。妻が勧めてくれたアイテムはすぐに売り切れるので、ある意味トレンドの流れとあっているのかも。ダウンも僕が買った後すぐに、カーキが売り切れていましたね。
F:ちなみに、かっぴーさんは普段釣りはされますか?
かっぴー:ダイワ ピア39着てると絶対聞かれるんですが、まったくしないですね。少し前にスウェーデンの釣具メーカー「アブガルシア(ABU GARCIA)」のウェアがマイブームで、1LDKの別注アイテムなどをよく着ていたんですが、その時も「釣り好きなんですね」と聞かれて(笑)。
F:フィッシングウェアはすっかりファッションアイテムとして定着しました。
かっぴー:ファッションのトレンドとして台頭してきたので、街中では釣りをしない人も結構着ていますよね。「ナイキ(NIKE)」のダンクやジョーダンを履いていてもバスケしない人もいますし、ミリタリーパンツ穿いているからといって軍人とは限らないですからね。それと一緒の話だと思っています(笑)。
JIL SANDER ジャケット
かっぴー:「ジル サンダー(JIL SANDER)」は夫婦でよく買っているブランドで、新作が入荷する度に店舗から電話がかかってくるんですよね。恐らく一定以上の購入金額に到達している人が対象だと思うので、かなり買っている方だと思います。
F:年間でどれぐらい買っているんですか?
かっぴー:去年は妻が20〜30万円位のドレスを買ったり、僕が同じような価格帯のアウターを買ったりと、夫婦で合わせたら200〜300万円位は買っているんじゃないかな。思い返せば去年の買い方は激しかったですね(笑)。今年はアントレースのアイテムをよく着ていたので、そこまでジル サンダーで買っていないと思います。
F:こちらのジャケットはいつ購入したんですか?
かっぴー:9月位かな。昨年も似たようなデザインのジャケットを買ったんですが、そのアイテムと同じ素材の別パターンだったので、これは間違いないなと思って購入を決めました。
F:首元のシルエットは程よい立体感があって綺麗ですね。
かっぴー:そうなんです。AK5のニットでも話ましたが、服選びの際にネック部分のデザインは結構重視していて。こういったデザインって完全に締めるとスポーティーになりがちなんですが、さすがジル サンダーと言うべきか、これはすごく洗練された上品な印象になるんですよね。大ぶりのポケットも気に入っています。
F:ボトムスは何を合わせることが多いですか?
かっぴー:ダイワ ピア39で購入したパンツなどを合わせています。スラックスを穿いてももちろん素敵だと思いますが、ドレッシー過ぎると僕的にはやりすぎな気がしちゃうんですよね。ラグジュアリーとカジュアルをバランス良く掛け合わせたスタイリングが好きです。
F:かっぴーさんは大のスニーカー好きとして知られていますが、やはり足元はスニーカーですか?
かっぴー:「ニューバランス(New Balance)」の「2002R」をヴィンテージデザインに仕上げたモデルが今年の夏に発売されたんですが、それをよく履いています。履いていくに連れて毛羽立っていく仕様なので、履きつぶすのが楽しみなデザインです。
F:ジル サンダーは何度かデザイナーが変わっていますが、どの時代が好きですか?
かっぴー:ルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)夫妻が作る今のジル サンダーが好きですね。
F:ジル サンダーにハマったきっかけは?
かっぴー:ハマったのは昨年初め頃からなので、歴としては2年くらいですね。元々、ラグジュアリーブランドにあまり興味が無かったんですが、ファミリーセールへ行く機会があってジル サンダーにすっかり魅了されてしまって。一気にハマって、そこから店舗でも頻繁にジル サンダーのアイテムを買うようになりました。ハマると同じブランドばかり着てしまうんですよね(笑)。
F:かっぴーさんにとってジル サンダーの魅力とは?
かっぴー:ジル サンダーのコレクションってパッと見すごく普遍的で、でもよく見ると今っぽい要素も取り入れられていて、そのバランス感覚が秀逸。トレンドに寄り過ぎた数年で着られなくなるようなアイテムを作らない姿勢に好感が持てます。
ラグジュアリーブランドの中には、話題性や映えを意識したようなアイテムを作るところもあって、それはそれでブランドを発展させていくためにビジネスとしては必要だとは思うんです。でも、自分がそれを追いかける歳ではないかなと感じるんですよね。ジル サンダーだったら、10年前に買ったアイテムがクローゼットから出てきても、久々に着てみようかなってなると思うんです。長く着続けられる普遍的なデザインだけど、その時代の空気も纏わせているのがすごいなと。
ROLEX チェリーニ
F:最後は「ロレックス(ROLEX)」のヴィンテージのチェリーニですね。
かっぴー:先日、FASHIONSNAPの光山社長やワンメディアの明石ガクトさんたちと一緒にフリマを開催した時に、光山社長からかなりお手頃な値段で譲って頂きました。
F:購入の決め手は何ですか?
かっぴー:フリマでロレックスを買うってすごく面白いじゃないですか(笑)。エピソードの面白さが購入のモチベーションになるんですよね。誰から買ったや印象的な接客を受けたとか、購入後に人に話せるようなエピソードがあるとか、せっかく物を買うならそういうの込みで買いたいと思っているので。
F:記憶に残る購買体験があると製品への愛着がさらに湧きますね。ロレックスは他にもお持ちなんですか?
かっぴー:いや、今回が初ロレックスです。そもそも時計自体ほとんど持っていなくて。人並みに時計は好きですし、それなりに知識はあったんですけど、自分が着けるために欲しいというよりも、それこそ自分の漫画に登場するキャラクターのことを思い浮かべて「このキャラだったら、こういう時計をするだろうな」なんて、あれこれ考えている方が好きなんですよね。
F:時計好きの中では変わったタイプですね。
かっぴー:漫画家としての仕事が軌道に乗ってきた時に、実は「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」を購入しようか検討していた時期もあったんですよね。パテック フィリップの時計は新規顧客が中々買えるものではないので、連絡が来ただけでもラッキーなんですけど、「今だったらこういうモデルがありますが、買ってくださる場合のみお取り置きします」と言われて。「実物見ないでこの金額を払うのか....」と思って躊躇して以降、時計を買わずに今に至ります。でも、普段時計を全く身に着けないので、今振り返るとあの時買わなくて良かったなと思っています(笑)。
F:今回購入したチェリーニは普段使いされているんですか?
かっぴー:時間はスマホで見てしまう派なので、これはレストランへ行く時などにアクセサリー感覚で着けています。
F:気に入っているポイントは?
かっぴー:ロレックスといえばスポーツモデルのイメージが強いので、これはある意味ロレックスっぽくないというか、クラシックで控え目なデザインが気に入っています。あとはベルトの部分ですね。譲って頂く際にベルトを替えてくださったんですよ。マメですよね。元々付いていたベルトもブラックですが、エナメルっぽい艶感のあるものだったんですよね。替えてくれたベルトはマット調で落ち着いていてとても相性が良くて気に入っています。正規品のベルトも箱に一緒に入っていたので、機会があったら付け替えて楽しもうかなと思ってます。
F:ロレックスの中では華奢なデザインなので、女性が着けても素敵ですね。
かっぴー:そうなんです、妻と一緒に着けられたら良いなと思って買ったんですよ。まだ着けたところ見たことないんですけどね(笑)。
今年を振り返って
F:新連載の開始や、アントレースの法人化、お引っ越しなど、仕事もプライベートも忙しい1年を過ごされていた印象です。
かっぴー:そうですね、忙しかったからこそ生活を見つめ直す良い機会になったかもしれません。子どもがどんどん大きくなっていることもあり、主に衣食住の住の部分を見直す機会が多かったので、買ったものも住まいに関するものが中心でした。服も買っていますが、昨年ほど多くなかったと思います。
F:ライフスタイルが変わる中で、買い物の仕方に変化はありましたか?
かっぴー:ここ数年かけて徐々に変わってきたのは「人にどう見られたいか」でものを買わなくなったということ。昔の僕だったら「どうしたらモテるか」ということを軸に服を選んでいたんですが、今は純粋に自分のテンションが上がるものを着るようにしています。服にせよ、家具にせよ、「コロナ禍でどうせ人にも会わないんだから適当なものでいいや」ではなくて、本当に自分を喜ばせるものにお金を使うようにしようと思って。だから、今年は日常生活を整えて、自分の機嫌を良くするために色々お金を使ったかなって思いますね。服を買わなかった分、家具を結構購入したので今年はだいぶお金を使い過ぎてしまいましたが(笑)。
F:来年はどんな1年にしたいですか?
かっぴー:来年は仕事も消費も軽く抑えていけたらなと。今年は仕事をみっちりと詰め込んだ1年だったので、家族とゆっくりと過ごせるような余白を残した生活を送りたいですね。
かっぴー
漫画家・漫画原作者。1985年神奈川県出身。武蔵野美術大学を卒業後、大手広告代理店 東急エージェンシーにてアートディレクターとして勤務。面白法人カヤックへ転職後、2015年にはnoteで公開した漫画「フェイスブックポリス」が一躍話題に。2016年に自身が代表を務める株式会社なつやすみを設立。これまでに「おしゃ家ソムリエおしゃ子」「アイとアイザワ」「SNSポリス」「アントレース」「左ききのエレン」など多数の作品を発表している。
【2021年ベストバイ】
・ユナイテッドアローズ 栗野宏文が買って良かったモノ
・「エテ」オーナーシェフ庄司夏子が今年買って良かったモノ
・アトモス代表 本明秀文が今年買って良かったモノ
・chelmicoのレイチェルとマミコが今年買って良かったモノ
・繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ
・ファッションエディター栗山愛以が今年買って良かったモノ
・振り付け師 MIKIKOが今年買って良かったモノ
・スニダン内山とモノカブ濱田が今年買って良かったモノ
・カネコアヤノが今年買って良かったモノ
・スタイリスト濱本愛弓が今年買って良かったモノ
・デザイナー藤澤ゆきが今年買って良かったモノ
・オカモトレイジ(OKAMOTO’S)が今年買って良かったモノ
・アドウェイズ社長 山田翔が今年買って良かったモノ
・ライゾマティクス 真鍋大度が今年買って良かったモノ
・FASHIONSNAP社長 光山玲央奈が今年買って良かったモノ
・俳優 伊藤万理華が今年買って良かったモノ
・木村カエラが今年買って良かったモノ
・サカナクション 山口一郎が今年買って良かったモノ
■買ったモノ連載ページ
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