かっぴー
Image by: FASHIONSNAP
今年のお買い物を振り返る「2021年ベストバイ」。2人目は、人気漫画「左ききのエレン」を手掛ける漫画家・漫画原作者 かっぴーさん。「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」のシーズン2が現在放送されているほか、最新作「15分の少女たち-アイドルのつくりかた-」の連載をスタートさせるなどヒット作を生み出し続けるかっぴーさんが選ぶ2021年に買って良かったモノ8点。
目次
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Omann Jun ダイニングテーブル
FASHIONSNAP(以下、F):最近引っ越しをされたとのことで、新居にお邪魔させて頂きました。
かっぴー:今日は宜しくお願いします。引っ越しのタイミングで、家具を色々と新調したんですよ。片付けもやっと落ち着きました。
F:引っ越しをされた理由は?
かっぴー:やはりコロナ禍で家にいる時間が増えたことが大きいですね。子どもが3歳になり家の中で走り回ることも増えてきたので、もう少し広いところに住みたいと思ったんです。理想的なファミリー向けの物件が中々見つからなかったんですが、丁度良いタイミングで狙っていた物件にキャンセルが出て、ここに決めました。
F:まずは「オーマン・ジュン(Omann Jun)」のアンティークのダイニングテーブルから。デンマークで1933年から続く老舗家具メーカーですね。
かっぴー:代々オーマン家の家族がデザインを手掛けているメーカーですね。このテーブルはアンティーク専門店で購入したもので、妻と相談しながら選びました。今回の引っ越しは妻のディレクションのもと、インテリアの方向性を決めていったんですよ。
F:ヴィンテージ家具は昔から好きなんですか?
かっぴー:元々、ヴィンテージ家具には疎かったんですが、インテリアに詳しい妻の影響で最近興味が湧き始めたんです。前の持ち主から次の持ち主へと受け継がれながら、大切に使われていくのって素敵ですよね。すっかり沼にハマってしまいました(笑)。
F:テーブルの購入の決め手は?
かっぴー:お店で商品の説明を聞いているうちに、漫画家という職業柄でしょうか、家族の団欒風景がパッと浮かんでくるんですよ(笑)。結構大きなテーブルなので、もしかしたらこれまでの持ち主も自分と同じように奥さんや子どもとテーブルを囲んで食事をしていたのかな、なんて思いを馳せて。実際にどんな人が使っていたかはわかりませんが、新品の家具を買うよりこちらを買った方が断然ロマンがあって面白いなと思い、購入を決めました。
F:かっぴーさんの人気作「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」は、まさに家がテーマですよね。
かっぴー:家具やインテリアは好きですが、知識が専門家レベルであるというわけではないんです。「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」は、こういうタイプの人はこの家具が好きそう、使っていそうだなと考えるうちにストーリーが生まれていくんです。あとは、自分自身が買い物をする際は、服にせよ、家具にせよ、アイテムにまつわるエピソードを聞いて、心にグッときたもの、面白いと思ったものをなるべく買うように心掛けていて。ちょっと変わったタイプの家具好きかもしれません。
Carl Hansen & Søn Yチェア
F:続いてはデンマークの家具メーカー「カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Søn)」のYチェア。ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)の代表作です。
かっぴー:カール・ハンセン&サンではチェアを6脚購入しましたが、そのうち4脚はYチェアにしました。ダイニングチェアの名作であるYチェアは、会社員時代の自分には手が出せなかった憧れの家具です。
F:Yチェアの魅力は?
かっぴー:もちろんデザインの美しさであったり、機能美であったりいくつもありますが、購入後のケアをしっかりとしてくれるホスピタリティの高さも魅力の一つだと思います。ペーパーコードを手編みした座面部分にダメージがあった際には、連絡を入れれば職人がいつでも修理対応してくれる。購入した時に「壊れたらいつでも言ってくださいね。直させていただきます」と、顧客が安心する一言を言ってくれるんです。格式高いホテルに泊まると、気配りに感動して「泊まってよかったな」と思うことがありますよね。ホテルの設備がどれだけ高級かどうかよりも、素晴らしい接客を受けられた時の方が何倍も嬉しくなる。それに近い体験が、このチェアを購入した時に味わえたんです。
F:心に響く購入体験だったんですね。今後も自宅の家具は買い足していく予定ですか?
かっぴー:実はYチェアはあと2脚まだ届いてなくて、他にもカール・ハンセン&サンで棚なども注文してあるんです。まだ少し自宅のインテリアは寂しい状態ですが、徐々に家具は揃っていくかと。
Zarabiya ラグ
かっぴー :「ザラビヤ(Zarabiya)」はモロッコのラグを扱っているセレクトショップで、普段はオンラインを中心に展開しているんです。ポップアップイベントが開催されているのを知って見に行った時に買いました。一点物のラグです。
F:どんなショップなんでしょうか?
かっぴー:モロッコ人のお兄さんが、普通の観光客やバイヤーが訪れないような、奥地で作られているラグを買い付けて販売しているんですよ。現地のモロッコ人じゃないと行かないような場所らしくて。日本でも同じ染め物と言っても京都や新潟で全然違うように、モロッコでも地域によって模様や色合いが全く異なるそうなんです。
F:今回買ったラグは変わったデザインをしていますね。
かっぴー:モロッコのラグってインテリアショップでよく見かけますが、幾何学的なデザインのイメージがあったんですよね。今回買ったラグはパッと見た感じはシンプルなんですが、よく見ると建物が並んだ風景のようなデザインが描かれているのが面白いなと。
F:中央の部分だけネオンピンクが使われていて面白いデザインですね。
かっぴー:ネオンカラーの部分だけ見ると、何だかモロッコの奥地で作られたとは思えない"ネオ・トウキョウ"が感ありますよね(笑)。よく見ると茶色や桃色など違う色も少しずつ入っていて、珍しいなと思ってこのデザインを選びました。これよりも少し小さいラグも買ったんですが、そちらにはネオングリーンがワンポイントで入っているんですよ。
F:シンプルなデザインですが、リビングのインテリアの良いアクセントになっていますね。
かっぴー:ピンクの部分の意味がどうしても気になったので「これはなんですか?」とモロッコ人のお兄さんに聞いてみたんです。そしたら「わかりません。職人が作っている途中にここにピンクを入れたくなったのかもしれませんね」と言われて。このピンクの部分を見るたびにそんなエピソードを思い出して、クスッとなります。
UNTRACE セットアップ
F:「アントレース(UNTRACE)」と言えば、「左ききのエレン」の作中に登場する最強のクリエイティブ集団。昨年5月に現実世界で同名のデザインスタジオを設立されたそうですね。
かっぴー:多方面の業界で活動する人々が手を組んで、さまざまなプロジェクトを進めています。左ききのエレンのキャラクターであるクリエイティブディレクター 神谷雄介のモデルになった小野清詞さんが、アパレルのデザインを手掛けています。
F:セットアップは実際に購入されたということですよね?
かっぴー:はい、もちろん買いましたよ!自分が欲しい物をどうやったら手に入るかなと考えたときに、やっぱり自分が一番センスを感じている人に作ってもらうのが一番の贅沢じゃないかなと思ったんですよね。今回僕が購入したのは、過去にカーキを発売していたモデルの新色で、オンラインに並ぶのはもう少し先になると思います。
F:デザインのポイントは?
かっぴー:クリエイターのための作務衣とでも言うのかな、クリエイターが仕事でも遊びでも着られるデザインを追求しました。上下スウェットだと作業をするには楽ですが、来客が来た時にちょっと困ったりするので、場所問わず着られる着心地の良いウェアを目指しました。ジャケットなどを上に羽織れば大事な会議にも出られますし。
F:持ってみるとすごく軽いですね。ハリがあって高級感もあります。
かっぴー:パンツの裾の部分にドローコードがついているので、少し裾を上げるとカジュアルな印象にもなるんですよね。
F:確かに裾を上げると雰囲気が変わりますね。男女問わず着られそうです。
かっぴー:フリーサイズなので、性別や体型問わず色々な着方ができますよ。自宅で洗濯しても、軽く干しておくだけでシワも無くなるので、お手入れもしやすいので助かってます。
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