編集者で「Olive」や「ku:nel」といった雑誌の編集長を務めた淀川美代子氏が11月10日に亡くなった。生前から親交のあった編集者が12月13日にその訃報をツイッターに投稿したことで明らかになった。2010年まで在籍したマガジンハウスの総務部によると、「故人の意志を尊重して当社から特に発表する予定はございません」としている。
ADVERTISING
淀川氏は映画評論家の故・淀川長治の姪としても知られて、その影響で雑誌や映画に囲まれた環境で育った。平凡出版(現在のマガジンハウス)にアルバイトとして入社し、雑誌「an・an」編集部で編集者としてのキャリアをスタートする。その後、編集者として頭角を現し、「Olive」「an・an」「GINZA」の編集長を歴任した。2010年にマガジンハウスを退社した後は、外部編集者としてインテリア雑誌「MAISHA(現在は休刊)」や「ku:nel」の編集長を務めた。特に1985年から編集長を務めた「Olive」では、社会現象にもなった多くの「オリーブ少女」を生み出した。まさに日本の雑誌文化を牽引した編集者だった。
淀川氏の訃報を知った多くの関係者が追悼している。作家の吉本ばなな氏は自身のツイッターで、「常に美しく優しく誇り高かった淀川美代子さん。いっしょにお仕事できたこと、カラオケに行ったこと、一生大切にします。安らかに」と投稿している。作家でアイドル評論家の中森明夫氏は、「こんな人がいるんだな、こんなすごい編集者はもう二度と現れない、と驚きと尊敬と憧れと…。お話していてあんなに楽しい人もいなかった。お会いできて、よかった。淀川さん、ありがとう。さようなら」と投稿している。淀川氏は、まだ世に出ていないカメラマンやスタイリスト、作家らに、雑誌という発表の場を与えることで多くの才能を発掘してきた。雑誌カルチャーを駆け抜けた淀川美代子氏のご冥福を祈りたい。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【セブツー】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境