大手百貨店の11月売上高(既存店ベース、速報値)は2カ月連続で全社が前年同月実績を上回った。新型コロナウイルスの感染者の減少傾向が続いたことで、外出機会が増えてコート、セーターなど冬物が上向いた。19年比では微減にとどまっており、国内客の消費が戻りつつある。
三越伊勢丹は、伊勢丹新宿本店が18%増、三越日本橋本店が15%増、三越銀座店が15%増だった。ラグジュアリーブランドや時計、宝飾品が引き続き好調だった。入店客は新宿、日本橋の両店ともに15%増で、冬物の実需品が伸びた。防寒アイテムはブルゾン、コートが2ケタ増だった。「20年のコロナ禍、19年の消費増税の影響のない18年の実績に近づいている」という。
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高島屋は立川、大宮を除いて、全店が前年を上回った。特選衣料雑貨が27%増だったほか、美術が2倍となり、高額品がけん引した。ファッション関連は婦人服が13%増、婦人雑貨が3%増、紳士服が7%増、紳士雑貨が8%増だった。「コロナ禍前の水準に及ばないが、じわじわと戻っている」という。
大丸松坂屋百貨店は、大型店が2ケタ増で、全ての商品領域で前年を上回った。衣料品、食料品が2ケタ増を確保した。そごう・西武は西武池袋本店が13%増だった。外商催事やラグジュアリーブランドの売り上げが伸びたほか、低迷していた婦人服が10%増となった。
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店が19%増だった。ラグジュアリーブランドの衣料品やバッグ、時計が伸長したのに加え、婦人服が2ケタ増だった。近鉄百貨店はあべのハルカス近鉄本店が11%増だった。婦人服、子供服が2ケタ増だったのをはじめ、全部門が前年を上回った。
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