フェムテック商品を集めたフェアを企画した杉本さん
「隠すのではなく、堂々と話題にできるように」。JR名古屋高島屋は10月13~26日、フェムテック商品を集めたフェアを4階フロア中央部のローズパティオ(20日からは規模を縮小)で開いている。企画したのは婦人ランジェリーのバイヤー、杉本奈央子さん(営業第2部ランジェリー&リラクシング・オペークドットクリップグループグループマネージャー)。男性上司は「まだ早い」と冷たい反応だったが、社内の女性社員から「(このタイミングで)ぜひ、やって欲しい」と部を超えた応援を受け、開催にこぎつけた。
ADVERTISING
生理や妊娠・出産、更年期など女性特有の悩みは、欧米ではオープンに話し合われているが、日本では女性同士でも話題にすることがはばかられてきた。しかし、女性の社会進出が進みニーズが顕在化するとともに、技術進歩で悩み解決につながる商品が生み出されている。
「多くの女性にこういう選択肢があるということを知ってほしい」と、半年前に企画した。120ミリリットルを吸水するショーツや月経カップ、産後や更年期の筋力低下を改善する膣ケアアイテム、デリケートゾーンのボディークリーム、ボディーウォッシュなど22ブランドの220点を揃えた。コロナ禍で直接商談ができないため、杉本さんはリモートで打ち合わせを重ねた。これまで同店では扱っていなかった商品も多く、品質管理部門の審査も厳重を極めた。
会場では担当者による相談会やトークショーも開く。「これまでタブーとされてきた領域に百貨店として積極的に取り組み、女性の悩みに寄り添いたい」。多くの人に注目される百貨店のフロア中央での開催に、「これを機に男性にも女性の悩みを知ってもらい、職場などで堂々と話ができるようになれば」としている。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境