日本郵便と佐川急便は9月10日、物流サービスの協業で基本合意した。日本郵便のポスト投函型小型宅配便「ゆうパケット」と日本郵便の国際郵便サービス「EMS」を佐川急便で取り扱うほか、日本郵便の「ゆうパック」の保冷品配送サービスの一部を佐川急便が受け持つ。両社の強みを活かす協業を通じ、成長著しいECの荷物獲得を強化するほか、人手不足など物流業界の課題解決を図っていく。
「ゆうパケット」の佐川急便での取り扱いは、11月以降準備が整い次第に開始する。荷主の荷物を佐川急便が営業所で預かり、日本郵便の差出郵便局まで持ち込み、日本郵便の配送スタッフが顧客へ届ける。「ゆうパケット」に当たる配送商品は、佐川急便に該当するものがなく、佐川急便が受けた小型荷物を日本郵便が強い小型荷物の配送網に乗せる格好となる。
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国際荷物輸送は10月以降のサービス開始を予定。「ゆうパケット」と同様に佐川急便が荷主から預かった荷物を営業所で預かる。一方、佐川急便の営業所から差出郵便局への移動は「ゆうパケット」と異なり、日本郵便が受け持つことになる。以後、日本郵便が各国に発送し、郵便を取り扱う現地の事業体が配達する。
「ゆうパック」の保冷品配送は来年1月以降に準備ができ次第開始する。日本郵便と配送の契約をした荷主から預かった保冷品の一部を佐川急便に委託し、佐川急便が顧客へ配送する。
今回の協業での基本合意は、相互の経営資源の活用による顧客利便性向上に資する国内外輸送サービスの提供と持続的なビジネスモデルの構築が目的のひとつ。このほかに、相互の物流サービス、輸送・集配ネットワークやシステムおよびノウハウの共同活用による効率的なインフラの構築、さらに両社が保有するシステム基盤の連携を基にテクノロジー活用による新たな価値創造で物流業界の持続的発展を図るとしている。
今後は、地方都市の協働配送や幹線輸送の共同運行等など、さらな協業を模索していく。
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