米国のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(American Eagle Outfitters:以下AEO)が米・シアトルに拠点を置く物流のスタートアップであるエアテラ(AirTerra)を買収した。エアテラは米大手小売りのウォルマート(Walmart)でかつてEコマースのリーダーとして活躍していたブレント・ビーボウト(Brent Beabout)がエアテラの創設者の一人だ。エアテラは買収時の資産を公開しておらず、さらにAEOも今回の買収を公表していなかった。買収後もエアテラはAEOから独立して機能し、AEOはエアテラの顧客になるという。
小売業界では物流を外注することが多く、物流会社を買収するのは珍しいケース。実際にAEOが過去10年で買収した会社はどちらもアパレルだ。エアテラは小さな会社でその配送規模も小さく、サービスはアメリカの人口の61%にしか提供していない。AEOは買収を現在進行中のサプライチェーン・トランスフォーメーションの一部として描いている。優先すべきは、都市部に小さな流通センターを開設し、データを駆使して、全商品が最速発送のためにベストな場所に確実に保管されている状態にすることである。
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AEOは今年6月に配送効率を上げ、平均発送時間を1.5日分カットすることができたと公表している。しかし現在中規模の配送を行うAEOは、ホリデーシーズンに向け、さらに多くの配送キャパシティが必要になる。昨年10月からAEOは、最近フェデックス(FedEx)に買収されたショップランナー(ShopRunner)とパートナーシップを結部ことで6つの都市で無料の即日配送を行ない、今年6月にはその規模を50都市にまで拡大していた。AEOのCOOであるマイケル・ランペル(Michael Rampel)は海外メディアに「私たちは積極的に新しいツールとテクノロジーを受け入れるチームだ」とコメントしている。今回の合併も配送キャパシティ拡大のための新たなステップであろう。
AEOのチーフサプライチェーン役員は「我々はすでに配送スピードを上げる努力や、システムの機能をあげ、多様性を拡大するなど大きな歩みを進めてきた。しかし我々の前には、より早く効率的な配送を可能にする多くのチャンスがある」「エアテラの買収によって得た流通ビジネスやリーダーシップによって、顧客に差別化された業界最高の体験を提供することができる」と語る。
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