繊研新聞社が服飾系専門学校の学生を対象に行った「ファッション意識調査」(回答数1732人)で、「尊敬するファッション業界人」について聞いたところ、山本耀司氏が初の1位となった。デザイナーで順位を上げた人が目立つほか、EC発レディスブランド「アメリ」を運営するビーストーンの黒石奈央子CEO(最高経営責任者)も初めてトップ10入りして順位が変動。より身近なブランドや店舗を手掛け、ファッション業界で活躍する存在に憧れる学生の増加傾向を示す結果となった。
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上位12位までを見ると、デザイナーが6人、モデルやタレントは3人に減り、経営者や編集者も3人。得票を伸ばし、初のトップ10入りを果たした人が例年より多い。
この調査を始めた15年以来、山本耀司氏は常に上位5位以内に位置しながら、今回が初めての1位。同じく毎回5位以内で、昨年は2位の川久保玲氏が2位。昨年は6位のココ・シャネル氏は4位に浮上。昨年秋に亡くなった高田賢三氏が8位で、圏外から初めて10位内にランクインした。「リーバイス」「ルイ・ヴィトン」、眼鏡のジンズなどとの協業で話題のNIGO氏も、初のトップ10入りを果たした。
トップ5の常連組で、昨年は10位だった米国版『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンター氏は5位に復調。続く6位に入ったのが、昨年1位だったモデルのローラさんと、初登場の黒石奈央子氏。黒石氏はアメリで、トレンドを反映し、インスタグラムの画面上でも映える凝ったデザインの服を提案して人気。昨春、ビーストーンの公式ユーチューブチャンネルを開設して注目度が上昇し、SNS世代の若者の憧れの存在となっているようだ。
一方、「1カ月のファッション消費の変化」は、1年前より「減った」31%(前年24%)、「変わらない」30%(31%)、「増えた」37%(43%)、「不明」2%(2%)と減少傾向。減った理由は、コロナ下で「アルバイトの機会が減った」「お金が無い」と答えた人が3ケタに上り、「外出する機会が減った」との回答も多かった。
「1カ月の消費額」は1万円未満が最多の34%で前年並み。1万円台が25%(27%)、2万円台が20%で前年並み、3万円以上が20%(17%)で、高額支出者が3ポイント増加。「1カ月のファッション消費比率」は「10%以下」が23%で5ポイント増、「21%以上」は45%で3ポイント減、「11~20%」は31%で前年並み。コロナ下で金銭的な余裕がなくなり、ファッションに回す支出額は減少傾向ななか、服飾系学生らしくファッション費用を捻出する様子がうかがえる。
「インターネットで購入する頻度」の設問では、「月に2、3回程度」が29%(26%)に増え、昨年に続き1位。2位「月に1回程度」24%、6位「月に5回以上」6%(5%)と合わせ、月に1回以上が6割近くに増加した。3位が「2、3カ月に1回程度」(21%)で、ネット販売の利用頻度が増え、学生の生活や消費にも新型コロナの影響が出ていることが分かった。
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