アマゾンジャパンは7月14日から、有料会員「Amazonプライム会員」向けに東京・神奈川、千葉の一部エリアで展開する生鮮品販売サービス「Amazonフレッシュ」のサービス料金体系を見直し、月額料金を撤廃した。これまでは月額500円の月会費を徴収するものの都度の配送料を徴収しない会員プランも展開してきたが、同日から同プランをやめ、月会費を徴収せずに都度の配送料として税込390円を徴収(1回の受注金額1万円以上は未徴収)する料金プランに一本化した。なお、1回の最低受注金額4000円以上に変更はない。プラン変更にあわせて、配送リードタイムを短縮。従来まで4時間だった受注から配送完了までの最短時間を「物流拠点にシステムとオペレーション手順の改善」(同社)により、2時間に短縮。また、これまでは2時間刻みだった配送時間指定を有料だが1時間単位で対応できるようにした。1時間単位の配送時間帯指定の利用料金は1回の注文金額が4000円から1万円未満の場合、税込890円、1万円以上は同500円となる。なお、対応エリアは東京都の一部(大田区、世田谷区、目黒区、狛江市)と神奈川県の川崎市(幸区、高津区、多摩区、中原区、宮前区)の一部と横浜市(港北区)の一部となる。
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「Amazonフレッシュ」は日本では2017年4月から都内の一部エリアでスタート。その後、配送エリアは東京、神奈川、千葉の一部まで拡大したが、食品EC市場の関係筋によれば利用者は伸び悩んでいる模様。すでに会員費を徴収している「Amazonプライム会員」からさらに「Amazopnフレッシュ」としての月会費を徴収したり、都度配送料を競合サービスよりも高い500円とする「強気のプラン設定」がネックとなっているなどの見方もあり、スタートから2年半後の2019年9月には料金体系を見直し、従来まで同サービスの利用を希望する有料会員から別途、月会費として税込500円と都度の配送料として同500円(1回の受注金額6000円以上は未徴収)を徴収していた料金プランを変更。都度の配送料として同390円を徴収(1回の受注金額1万円以上は未徴収)するものの、月会費を徴収しないプランと、これまで通り、同500円の月会費を徴収するものの都度の配送料を徴収しない2つの料金プランに変更していた。月会費を徴収せず、また配送料も390円と競合のネットスーパーの配送料に近い水準まで引き下げることで新規利用のハードルを下げつつ、徐々に月会費を徴収プランへ引き上げて顧客の固定化などを狙った模様だったようだが、思うように機能しなかったようで、今回の月会費の完全撤廃に至ったようだ。
生鮮品のECについては直販サービスである「Amazonフレッシュ」以外にもスーパーマーケットを展開するライフコーポレーションやバローと組んで関東や関西、中部の大都市圏で展開している。他社と組んで展開するサービスと直販の「Amazonフレッシュ」をどうすみ分けをしていくのか。また直販で生鮮品ECを展開する意味合いも含めてアマゾンの展開の
今後が注目されそうだ。
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