東京オリンピック・パラリンピックの開幕がいよいよ目前となったが、「身体の健康」と「心の健康」の結びつきは近年、広く注目されるようになっている。プロのアスリート達が過酷なトレーニングを乗り越え、最高のパフォーマンスを発揮するには、強靭な精神力が必要であることは想像に容易いだろう。近年では身体パフォーマンスの向上のために選手達が専門家によるカウンセリングや、脳波トレーニングなどを積極的に行なっている例もある。
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そうした「身体の健康」と「心の健康」の関連性に着目し、新たなサービスを展開するのが「アシックス(ASICS)」だ。「アシックス」はスポーツを行うことで心がどのように変化するかを可視化できるシステム「Mind Uplifter(マインドアップリフター)」を開発した。「アシックス」は「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学とし、2021年1月からは「Sound Mind, Sound Body」をテーマとしたグローバルキャンペーンを開始している。このキャンペーンはコロナ禍で影響を受けている世界中の人々の心身の健康を維持するためのスポーツの促進や、特に精神にもたらす効果について検証し、スポーツが持つ意義を改めて認識しようとするものだ。
今回はこの新しく開発されたシステム「Mind Uplifter」を実際に体験してみる。「Mind Uplifter」は、脳科学や被験者の運動データなどを分析し、スポーツが感情と認知能力に対しどのように貢献したかを定量化することで可視化できるようにしたもので、ニューロインフォマティクス企業のEMOTIV社と運動とメンタルヘルス研究の第一人者であるブレンドン・スタッブス博士と協力して開発したという。
まずは「Mind Uplifter」特設サイトにアクセスし、ステップ1で顔認証を行う画面にて自身の顔をスキャンする。そしてステップ2ではストレスや心の状態に関して、科学的根拠に基づいた6つの質問に回答する。ステップ3ではランニング、スイミング、野球、ヨガなど指定された20種類のスポーツから1つを選択し、20分程度の運動を行う。ステップ4ではステップ1、2の顔認証と回答を再び行う。これにより、運動の前と後における脳と感情の状態が測定され、精神状態の変化を判定することが可能になるという。結果は10項目ごとに測定されそれぞれカラーパレットで表示される。所要時間はトレーニング時間含め25分程度で終了した。筆者は20分の筋トレを選択し、実際に測定結果を見てみるとトレーニング前と後では大きな違いがあった。
Tortal uplift 54%→76%(+22%)ポジティブさ 47% →54%(+7%)充実感 43%→100%(+57%)リラックス43%→100%(+57%)冷静さ 56%→57%(+1%)しなやかさ61%→73%(+12%)自信 37%→50%(+13%)集中度 41%→88%(+47%)鋭敏さ 74%→69%(-5%)穏やかさ 77%→74%(-3%)エネルギッシュさ 51%→90%(+39%)
若干のマイナス項目があったが全体的にはどの項目も大きく上がった。自宅にこもりがちな生活で運動不足になっていると、気持ちも内向きになりやすい。しかしたった20分でも運動することで充足感や、リラックスの度合い、集中度など心の状態に変化が見られることが以上の結果からよくわかる。
心の変化は通常自分ではわかりづらい。「Mind Uplifter」はそうした読み取りづらい変化を、表情や回答に基づいて科学的に提示してくれる。また、このような変化を数値で実際に目にすることでますますスポーツへのモチベーションも上がっていき、「身体の健康」と「心の健康」の相互作用で好循環が生み出せるのではないかと思った。健康志向やマインドフルネスが重要視されるようになってきた世の中で、このようなシステムこれから多くの人の役に立つだろう。
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