6月11日の神戸市議会に、「神戸らしいファッション文化を振興する条例」が提出される。提出者は神戸市会議員全員。ファッション都市としての歴史はあるが、近年は産業全体が課題に直面しているとし、条例を制定することで神戸らしいファッション文化を次世代に引き継ぐことを目的とする。
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条例の目的は「市、事業者及び市民が共に、神戸らしいファッションを振興することにより、これを次世代に引き継いでいくこと」としている。ファッション産業の定義は「神戸の歴史や自然を生かし、地域に根差した地場産業などファッション性豊かな生活文化産業全般」とする。事業者の役割は、「神戸の真珠加工品、シューズ、アパレル製品を取り入れた装い、地場産品を取り入れたライフスタイルを市民に発信すること」とした。市民の協力も条文案にあり、「市民は神戸の地場産品の利用を通して、神戸らしいファッション文化に理解を深め、その魅力発信に協力する」としている。事業者は地場産品のブランド化や海外を含む販路開拓に取り組み、市は地場産品の観光客による消費促進などの施策と連携することも入れた。また、市長は毎年度、ファッション文化の振興に関する施策の実施状況を議会に報告する。
神戸は1973年、全国に先駆けて「ファッション都市宣言」を発表した。アパレル、シューズ、真珠をはじめスポーツ、洋菓子、清酒などの産業が発展し、ファッション性を意識した街づくりを進めてきた。しかし、近年は流通構造の変化、海外製品との競合激化、消費者ニーズの多様化などで、多くの課題に直面していると分析する。コロナ禍を通じたライフスタイルの変化、持続可能な取り組みも対応が迫られているとしている。
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