情報やモノがあふれる現代にぴったりの自分に似合うものを見つけられるパーソナライズサービスが好調だ。パーソナライズシャンプー『MEDULLA(メデュラ)』、パーソナライズスキンケア『HOTARU PERSONALIZED』を展開する株式会社Sparty(以下、Sparty)もその流れを牽引する企業のひとつ。なぜいまパーソナライズビジネスが人気なのか?また、どのようにSpartyは成功しているのか——自身の会社も経営しながら、「複業家」として成長著しい同社の新規事業室プロデューサーとして働く横塚 まよ氏に、成功の秘訣やパーソナライズビジネスについて話を聞いた。
ADVERTISING
横塚 まよさん
1992年神奈川県生まれ。大妻女子大学卒業後、新卒でウィルゲートに入社し、Webデザイン、広報チームを立ち上げ。2016年に副業としてライブ配信関連事業を手がけるCOMPLExxxを設立。2017年ウィルゲートを退社後、女性向けサービスをメインとしたイベント運営会社Piscesを立ち上げ、2018年よりSpartyに参画し新規事業室プロデューサーを務めている。
—パーソナライズヘアケア『MEDULLA』とは?
ウェブサイト上で10つの質問に感覚的に答えていただくと、ユーザーに合う診断結果を提案し、シャンプーとリペアのセットをお届けするサービスです。サブスクリプション型なので、ただ合うものを1回届けて終わりではなく、実際に使った感想をフィードバックしてもらうことで、さらにその方に合うものにアップデートして翌月にお届けします。今後は自分に合うものだけでなく、季節性があるものや限定のサービスを提供していくことも考えています。
—現在パーソナライズビジネスのなかで御社がリードしているが、なぜこのように成長できているのか。
これまでパーソナライズビジネスは複雑で参入のハードルが高いと思われていました。Spartyでは独自のUI/UX、パーソナライズのロジックをつくることで簡単にパーソナライズサービスが提供できるシステムを構築しました。UXもサイトのなかの体験だけではなく、商品が届いたときや、美容室との提携など、オフラインでの体験にも力を入れていることで顧客満足につなげています。
—パーソナライズビジネスの成功の秘訣とは?
サイトや商品をつくることも大切ですが、物流システムも非常に複雑です。一人ひとりに合ったシャンプーから診断カードまで、すべてパーソナライズされたものをお届けするには膨大な作業が必要です。Spartyは同梱していく際に、すべてのものをバーコードで管理し、ミスなく確実にお届けするシステムをつくっています。
—物流がしっかりしているからこそお客様の満足度も高い。パーソナライズ市場が全体的に好調ですが、その理由とは?
いまは情報過多の時代、商品があふれている時代です。昭和〜平成のはじめ頃は、ブランドが出せば売れる、広告を打てば売れる時代でしたが、いまはいいものが当たり前にある時代です。例えばシャンプーでいうと日本で1万5千種類くらいあるといわれていて、ある程度お金を払えばいいものが手に入ります。いわゆる“いいもの”がありふれているからこそ、本当に自分に合うものに出会うことが難しくなってしまいました。こうした“見つからないことによる買い物疲れ”も多いと思うんです。そこに目をつけたのがパーソナライズビジネス。ヘアケアのカテゴリーではSpartyが日本初ですが、ほかのパーソナライズサービスも国内外でとても好調な流れが来ていると思います。
—今後のビジネスについて教えてください。
パーソナライズサービスは、ECカートシステムの構築がとても大変です。SpartyはECカートシステムを提供している会社と提携し、手軽にパーソナライズサービスが始められるサービスを展開しています。このサービスを、例えば商品数をたくさん持っている企業様に導入いただくことで、たくさんの商品数のなかから何を買ったら良いか分からない消費者に購入を促すことができる。Spartyには『MEDULLA』と『HOTARU PERSONALIZED』というブランドがありますが、そういったブランドビジネスだけではなく、パーソナライズ業界を盛り上げていくことにチャレンジしています。
—購入者数を伸ばすのは困難だがSpartyは実現している。その秘訣とは?
Sparty代表の深山はじめ、メンバーの多くが広告代理店やIT企業出身のため、アフィリエイトでの顧客獲得には強みを持っています。他社と比べると、アフィリエイトとブランディングのバランスを重要視しています。私たちは2018年5月にサービスをリリースしたのですが、8月には福岡のパルコで実店舗のイベントを行いました。もちろん店舗で新規顧客を獲得するよりも広告で獲得したほうが圧倒的に効率は良いですが、実店舗で行うことは熱量の高いファンの獲得に繋がりますし、その様子を広告で発信することもできる。このようなリアルで触れ合える取り組みを行うことで、ブランディングにつなげてきました。
—成長スピードが著しいですが、Spartyのカルチャーとは。
メンバー全員、本当にいろんなことをやっていますが、代表の深山に教えてもらった考えで、当たり前のことですが「ゴールに近いインパクトの大きいところから改善していく」ことを大切にしています。目先のタスクに追われずに、かかる工数とインパクトの掛け合わせで行動目標をつくっていく。ウェブでいうとCVのところから改善していくという、当たり前のところから地道にやっています。ほかにも与えられた時間のなかで効率よく発言をすることや、どんな打ち合わせや施策でもゴールを確認することに非常に意識が強い会社です。ただ、変わってきたことをやってきたというよりかは、シンプルに当たり前のことをやってきたからこその成長なのかなと思います。
—Spartyの働き方とは?
ある意味とても自由な会社です。フレックス制度を導入しており、私のように自分の会社を持ちながら働いている人もいます。また、Spartyには「きゃーっ♡にかける」「現場でエイヤッ★」「異能の歓迎」というユニークな3つのバリューがあって、ちゃんと「きゃーっ♡」できるかどうかを大切に、現場の人を大切にする、多様な価値観を大切にするなど、淡々と数字だけを追うのではなく、長い目でブランドをつくることに大きなやりがいを感じていただけると思います。今まさに急成長の段階で新規事業もかなり多く、人材も募集していますが、協業していただける企業様も募集しています。また新たなつながりによって、パーソナライズという市場をさらに広げていけたらいいなと思っています。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【NESTBOWL】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境