Image by: ユニリーバ
ユニリーバ(Unilever)が、美容およびパーソナルケアブランドのパッケージや広告で「ノーマル」という言葉の使用を排除すると発表した。同社が新たに掲げる企業ヴィジョン「ポジティブ・ビューティ」の戦略の一環としており、具体的には「ノーマルスキン」や「ノーマルカラー」などの文言を変更し、より包括的な美容を提唱する。
ユニリーバが9ヶ国で1万人を対象に行った調査によると、美容商材のパッケージや広告に「ノーマル」の文言がある場合、10人のうち7人がマイナスの印象を受けると回答。18〜35歳の年齢層では10人のうち8人が同意見だったという。また、多くの人が美容・パーソナルケア業界は美の定義を広げる必要があると考えており、製品を購入する前に社会問題に対する企業の姿勢に注意を払うようになっているということも分かった。同社はこうした消費者の意見も踏まえ、表現方法の改善に着手する。
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ポジティブ・ビューティでは、製品の設計や処方、コミュニケーションを変革することで人と地球の両方により良いものを提供し、消費者のトレンドも取り込む。広告においては「ノーマル」の使用禁止に加え、ヴィジュアルに起用する人種やグループの多様性を尊重し、体型やサイズ、肌の色などを修正しないこと、ステレオタイプを排除したジェンダー平等を提唱。2030年までの目標として、150万ヘクタールの土壌、 森林、 海洋の保護と再生の支援、化粧品の動物実験廃止を掲げた。
ビューティ&パーソナルケアのプレジデントであるサニー・ジェインは、「製品やパッケージから『ノーマル』を取り除いても、それだけでは問題は解決しないと考えています。今回の発表は、私たちがポジティブ・ビューティのヴィジョンの一環として行う数多くの行動の一つに過ぎません。これまでよりも多くの消費者が社会問題や環境問題に関心を持って行動しているブランドを選択するようになっており、ポジティブ・ビューティの戦略を進めることで私たちを信頼に足る強いブランドにしてくれると信じています」とコメントしている。
なお、ユニリーバは昨年、美白を示唆する言葉の使用を取りやめることも決定。全製品から「フェアネス」「ホワイトニング」「ライトニング」といった文言を排除し、インドを中心に展開する「フェア&ラブリー(Fair&Lovely)」のブランド名を変更すると発表した。
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