細谷敏幸氏
Image by: 三越伊勢丹ホールディングス
三越伊勢丹ホールディングスが2月26日開催の取締役会で、杉江俊彦代表取締役社長が4月1日開催予定の臨時株主総会の終結をもって同職を退任することを決議した。後任には岩田屋三越代表取締役社長執行役員の細谷敏幸氏が就く。杉江氏は三越伊勢丹ホールディングス取締役兼三越伊勢丹取締役会長となる。
同社は昨年11月に中期計画(2019年度~2021年度)を取り下げて以降、新3ヶ年計画(2021 年度~2023年度)の策定を進めている。今回の異動の理由については、重要な計画のスタートとなる2021年度を迎えるにあたり、新体制のもとで推進することが望ましいと判断したという。
ADVERTISING
2月26日に開催した記者会見で杉江氏は「元々4年をめどに考えていた。就任した際に掲げた使命を果たしたので後任に託したい」と話し、積極的に取り組んできた肥大化したコストの削減、不採算店舗の整理、不動産事業やEC事業の成長事業の強化は目標数値を上回る結果だったと説明。細谷氏は新体制で危機感の共有、利益志向の定着、戦略の立て直しを行っていくといい、「コロナ禍で百貨店が厳しいということもあるが、ビジネスモデルが市場に受け入れられていないと思う。これまではとにかく多くの人を店舗に集めることを重視していたが、今後は外商を中心に個への提案を積極的に行う」と語った。
杉江氏は1983年に伊勢丹(現三越伊勢丹)に入社。三越伊勢丹執行役員営業本部MD統括部食品統括部長や、取締役専務執行役員経営戦略本部長などを経て、2017年に三越伊勢丹ホールディングス社長に就任した。前任の大西洋代表取締役社長が推進してきた成長戦略から構造改革に切り替え、不採算事業の整理・縮小やコストコントロールの強化などを進めてきたが、新型コロナウイルスの感染再拡大が打撃となり2021年3月期第3四半期(2020年4月1日〜12月31日)の連結決算は、売上高が前年同期比31.2%減の6024億3500万円だった。
後任の細谷氏は早稲田大学法学部卒業後、1987年に伊勢丹に入社。営業本部商品統括部婦人雑貨統括部長などを経て、2018年から現職を務めている。
ADVERTISING
READ ALSO
あわせて読みたい
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境