4. Dr.Franken × Kosuke Tsumura
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F:Kosuke Tsumuraって武蔵野美術大学教授で元「ファイナルホーム(FINAL HOME)」デザイナーの津村耕佑さんですか?
光山:そうです。こんなアイテムがあったんだって感じですよね。実際これ自体は、2016〜17年に販売されたみたいです。「ドクターフランケン(Dr.Franken)」とのコラボだとは思いますが詳細は不明なんです。
F:光山さんがそこまであやふやなの珍しいですね。
光山:もともとこれを知ったのは、オフィス移転がきっかけなんです。ちなみに今日(取材日)、会社の引っ越しがやっと終わりました。オフィスの空間、内装を手掛けてくれた建築士の方と打ち合わせをした時にこれを着てて、「それってもしかしてファイナルホームですか?」って聞いたら「そうです、津村さんのやつです」と言われて。ただ、ファイナルホームにしては状態がやけにいいなって不思議に思ったんです。ブランドビジネスとしては5年前に終了してるわけですから、よくよく聞くと、その方が勤めている会社がドクターフランケンと関係があるらしくそれで着てると判明して、ソワソワしてると「会社に在庫が何枚かありましたから、興味あったら持ってきますよ?」と言ってくれたんです。それですぐ買います!みたいな感じなんですよね。なので店舗で色々聞いて買うって感じじゃなかったので、あやふやなんです。
F:なるほど。建築士の方に聞いてみればいいんじゃないですか?
光山:いや、その後情報のリンクを送ってくれたんですけど詳細はやっぱり不明って感じでした(笑)。まぁ、モノは手元にあるのでそれでオッケーかと。
F:実際モノを見てみてどうですか?
光山:ファイナルホームのコンセプト通りのアイテムで、大きい違いは多重ジップじゃないところと素材の高機能化かな。ジップは1つで左右共有していて、裏地との間に色々詰める感じですね。オリジナルは普通のナイロンに対して、こちらは東レのH2OFFで耐久性強化と撥水性を確保している点が特徴です。
F:これって何詰めるのが正解なんですか?
光山:基本はポケットとして使うんですけど、非常時は食料の他に新聞紙とかペットボトルを詰めれば防寒着になったり緩衝材になったりって感じですね。
F:ファイナルホームは「究極の家は服である」というコンセプトを掲げていますが、今の時代にとってはとても考えさせられるコンセプトだと思います。
光山:1994年に津村さんがそのコンセプトを掲げてから国内では95年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、海外では01年にアメリカ同時多発テロ事件など大変な出来事が多く起きました。ショッキングな映像を見た時に、どんなにモノで溢れていても最後は着の身着のままなんだなって思ったんです。本当にこのコンセプトは深いです。
F:ファイナルホームのブランドビジネスが終了してしまったことについてはどう思いますか?
光山:ファッションとしてではなく、違ったモノとして認識されたら違った結果になったのかもしれませんね。様々なものがファッションとしてだけに消化されてしまう功罪を感じてしまいます。この服もファッションから登場しただけで、本当にカテゴライズされるべきところは違ったんじゃないのかなって。いる場所といるべき場所ってなかなか重ならないですよね。
F:今後の復活はありますかね?
光山:津村さんもいて、プロジェクトとしてファイナルホームは残っているので可能性はあるかもしれませんね。コロナなんかは都市であればあるほど感染の危険があるじゃないですか。目に見えない危機に対して、どういうウェアを提案してくるのかは見てみたいですね。
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