6. ウォルト・ディズニーの伝記
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F:続いて6点目は本です。なぜウォルト・ディズニーの伝記を選んだんですか?
南塚:コロナの外出自粛期間中に"オタクの帝王"と呼ばれる岡田斗司夫さんのYouTubeメンバーシップに入会したんですが、ウォルト・ディズニーの講義がすごく面白くて。それでディズニーがディズニーランドを作った背景に興味が出てきたんです。いわゆるアニメーションが作りたい、漫画や絵、キャラクターが好きでそれを動かしたい、というところまでは想像つきますが、現実世界で遊園地まで作るという発想は、ビジネス目的だけだったら絶対にやらなかったはず。大きく失敗するリスクを負ってでもディズニーランドを作るというのは、「想像を現実にする」という強い情熱がなければできなかったと思います。
F:伝記を読んでみて感想は?
南塚:ウォルト・ディズニーはやっぱりアーティスティックな人だなと感じました。生まれ育った環境が貧しくて、腕一本である種の孤独を埋め合わせるように、自分のキャラクターを動かすことに執着していって。もちろん経済的に成功したとはいえ、当時のアニメーションスタジオは一回コケればもう潰れるような経営状態だったはずなんですよ。それでも多額の投資をして、莫大な借金を背負ってでもディズニーランドを作った。外野からは否定的な意見が多かった中、チャレンジしてやり遂げたというのは単純にすごいですよね。しかも自分の思い描いていた理想郷に全然ならなかったんで、もう一つパークの建設をスタートさせたのもすごい精神力だと思います。ディズニーはアーティスティックな側面ではあまり語られないですが、20世紀のキャラクターアートのビジネスを作った総体としては、ピカソを超えたと言っても過言ではないくらいの巨大な存在。ディズニーがあったから生まれた現代アートはものすごい膨大な数で、その影響力を考えると美術史に必ず入ってくる人物だと思います。
F:南塚さんもディズニーを見て、影響を受けて育った一人ですか?
南塚:実はそんなに影響は受けてこなかったんですよね。ディズニーの作品は童話をもとにしたものが多いですが、正義が勝つ「勧善懲悪」のストーリーにうまく修正されていると感じてしまって。でも「ファンタジア」に関しては、アート作品としてものすごいレベルだったんだなと大人になって気付きましたね。
F:ちなみにディズニーランドにはよく行かれますか?
南塚:娘がいるので家族で行くことはありますが、学生時代は中学生の時に修学旅行で行ったくらいで、二十歳になるまで1回しか行ったことなくて。あまりに人が多いし、もともとジェットコースターが苦手なので相性が良くない(笑)。でも世界観は好きで、修学旅行で行った時もアトラクションは乗らずにワールドバザールとゲームコーナーに一日中いましたね。あの空間のつくりがすごくて、現実世界でここまで作るのかと圧倒されました。
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