5. DIOR ニット
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F:これはマイアミで発表された「ディオール(DIOR)」とショーン・ステューシー(Shawn Stussy)のビッグコラボですね。
南塚:昨年12月のマイアミでのショーとマイアミバーゼルのアートフェアの開催時期が重なっていたので、ディオールの方にご招待いただきました。ファーストルックの美しいデザインのニットに一目惚れして。だけどオートクチュールのニットで購入するにはとんでもない金額になるということで、量産ラインから似たデザインのニットを買いました。
F:ベストバイ4点目までモノトーンでしたが、これはかなりカラフル。
南塚:普段もモノトーンが多いので、こういったデザインはほとんど着ないんです。なのでこのニットは、着るというよりも見て楽しむアート作品のような感覚で気に入っています。
F:ショーン・ステューシーが手掛けていた1990年代のステューシーは着られていたんですか?
南塚:当時はよく着ていましたね。ショーンが去った今も、ステューシーは最初のクリエイティブが刺さっているからブランド価値が落ちていないように思います。ステューシーのピュアなエッセンスを感じさせますし。キム(ディオールメンズアーティスティックディレクターのキム・ジョーンズ)はさすがいいところに目をつけたなと。
F:キムが率いるディオールのメンズは過去に(NANZUKA所属アーティストの)空山さんとコラボしましたね。南塚さんにとってキムの印象は?
南塚:基本的にシャイな人だと思うんですけど、空山とのコラボが決まる前に開催した展覧会のオープニングではいきなり来て、作品の前で空山と肩を組んで写真を撮り始めたんですよ。まるでキムがギャラリーのオーナーのような振る舞いで、「これはキムの展覧会じゃないんだぞ」と空山が突っ込んでいました(笑)。そういうフランクな一面もあります。
F:キムはコラボをやるつもりで来場したんですね。
南塚:その前にディオールでKAWSとコラボしていたのを知っていたので、僕も感づいていました。まさに展覧会オープニングの翌日に空山のスタジオにキムがきて、一緒に昼食をとった時は最初からアイデアの話をしていて。ただそれがショーまで半年あるかないかの時期で、あの11mもある巨大なスカルプチャーは5ヶ月で作り上げたんです。通常ではありえないくらいのスピード感で、いま振り返ると狂ってたなあと(笑)。すべて日本の工房で作ったのですが、みなさん必死に取り組んでくれて感謝しています。
F:すごい行動力。キムはファッションとアートを掛け合わせるアプローチが得意ですね。
南塚:アーティストと対等な立ち位置で名前が立つ人はなかなかいないですし、ファッション側のアーティスティックな解釈を取り入れて、ラグジュアリーブランドとアーティストのコラボを成立させることができるのはやっぱりキムの才能ですね。どんなアーティストも作品の使われ方にこだわりを持ってるので、それをうまく昇華できるのは、キムのアートに対する理解と愛情があるからこそだと思います。
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