会見に登壇した鈴木信輝代表取締役社長
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ワールドが11月5日、2021年3月期第2四半期の決算説明会を開催した。上期の売上高は計画を上回ったが、最終赤字は110億9900万円で過去最大の赤字となった。鈴木信輝代表取締役社長は業績について「壊滅的な赤字であることは紛れもない事実」とし、下期は粗利率改善に取り組むという。
同社は今年5月の2020年3月期通期業績の決算会見で、新型コロナウイルスに伴う対応策として「ヒト・モノ・カネ」の3つを軸に指針を掲げると発表。従業員の一時帰休や役員報酬の減額、新規中途採用活動の全面凍結を行ったほか、2020年秋冬商品の仕入れを30%減らした。改装投資については全面見直しを実施し、EC売上拡大への販促や開発投資の強化を図ってきた。
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上期ではアパレル事業の売上が壊滅的だったものの、EC販売などを担うデジタル事業や、非アパレル業種へのサービス展開を積極的に行うプラットフォーム事業は好調。2事業の収益が堅調に推移している中で、下期ではブランド事業の収益改善に努める。下期の戦略について鈴木社長は「粗利を軸とした収益力の回復を目指す」と話しており、2021年春夏シーズンの仕入れは前年度100%の量に戻すという。また、コロナ禍でも売れ行きが好調だった生活雑貨やキッチングッズの取り扱いを増やし、来期は出店の拡大も狙う。来春には英国ライフスタイルブランド「ローラ アシュレイ(LAURA ASHLEY)」のオープンを控えている。
説明会で鈴木社長は「下期の戦略に奇手はないが、やるべきことは見えている。完全復活を期す来期に向けて、なんとしても通期黒字化を達成する」とコメント。来期以降の業績を上げるべく、売上コントロールの仕組み構築や営業力を強化していく。なお、8月に発表した構造改革の進捗については順調に進んでいるといい、希望退職者については想定以上の応募があったことから来期に効果を見込むという。
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