アマゾンジャパンは理美容師に限定して理美容関連商品を販売する専門コーナーを同社が展開する法人および個人の事業主向けのネット販売サイト「アマゾンビジネス」内に新設する。理美容関連商材の卸販売事業者が出品する業務用のヘアカラー剤やパーマ剤などを販売する。理美容室は一般的に出入りのディーラーらから業務用品を購入するが少量発注がしにくかったり、地方の理美容室の場合、購入可能品が限定されるなどの問題があるという。また、理美容商材の卸販売事業者はコロナ禍で販路の拡大が課題となっているという。専門コーナー設置で理美容室と卸販売事業者双方のニーズに対応し、「アマゾンビジネス」の流通額拡大を見込む。
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10月中にも「アマゾンビジネス」内に新設予定の「プロフェッショナル・ビューティーストア」(=画像)は理美容師の免許証や保健所からの理容所・美容所の検査確認済証などを示しアマゾンから認証を受けた理容室や美容室、美容師、理容師のみが商品を購入できる専門コーナー。商品販売を特定の業種の事業主に限定して展開するのは5月に開設した医療機関向けにマスクや防護服、除菌剤などの医療関連物資を販売する「新型コロナウイルス感染症対策 特設ストア」に続き2例目となる。なお、今回の理美容師向け専門コーナーは米アマゾンが昨年に同様のものを開設しているという。
「プロフェッショナル・ビューティーストア」は業務用ヘアカラー剤やパーマ液では「ナプラ」や「ルベル」「NAKANO」「ホーユープロフェッショナル」など数百ブランドの商品、合計数千アイテムを販売するほか、シャンプー、トリートメント、スタイリング剤、除菌・消毒用品、マスクなどを扱う。取扱商品は理美容関連商材を販売する卸売事業者からの出品のほか、アマゾンによる直販商品となる。
サイト上では「ヘアカラー剤」など商品カテゴリー別やメーカー別などで商品を検索できる。理美容師の認証を受けたユーザーのみ価格が表示され、カートに商品を入れられる仕組み。未認証のユーザーには認証を促す案内などを表示、購入はできない。
同社が行った理美容室への調査によると、美容室が出入りのディーラーから関連用品を購入する際、「最低発注単価があるために、これだけちょっと欲しいという時に発注を見送ることもある」「ディーラーに1本だけ頼むのは気が引ける」「田舎だと買えないものが多い」などの声があったという。一方で理美容関連商材の卸販売事業者からは電話やFAX、訪問販売を中心としてきた理美容商品の販売はコロナ禍などを契機にEC化が必須となり、対応を迫られていることやECを活用した販路の拡大などが課題となっているという。「プロフェッショナル・ビューティーストア」の新設で理美容師が多くの品ぞろえの中から、必要な商品を1つから注文でき、卸売販売事業者はECで効率的に販売し、また販路を拡大できるという利点で双方の課題に対応し、売買を促し、流通額拡大を促進させたい考えのようだ。
なお、今回の「プロフェッショナル・ビューティーストア」のように特定業種に特化した専門コーナーを今後も「アマゾンビジネス」内に設置していくかについては「お客様のニーズがあり、我々がきちんと商品を提供できる場合には進めていきたいと思う」(Amazonビジネス事業本部の石橋憲人事業本部長)としている。
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