アスクルは運営する日用品通販サイト「ロハコ」で9月30日から、事前に指定した場所に荷物を配達するいわゆる「置き配」を本格導入する。置き配対応はこれまでは一部地域に限られていた。同日からはほぼ全国で対応する。
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「置き配」はグループの配送会社、アスクルロジストで配達するエリアの顧客分は商品注文時にサイト上で置き配での配送を指定でき、置き場所も玄関ドア横、宅配ボックスを選択できる。
加えて、ヤマト運輸の置き配に対応した配送サービス「EAZY(イージー)」を導入。アスクルロジストによる配送外のエリアでもヤマト運輸で配送する荷物については置き配に対応。利用者は注文時に「ロハコ」上での指定はできないが、商品の出荷完了後、ヤマト運輸からメールで送信される「お届け予定通知」を経由して専用サイト上で置き配を指定、置き場所は玄関ドア横や宅配ボックスのほか、ガスメーターボックス、物置、車庫、自転車のかご、建物内受付/管理人預けなどを選択できる。
なお、「ロハコ」の配送は全体の約4割をアスクルロジストが、残りはヤマト運輸を中心に他の配送業者が手がけているが、アスクルロジストとヤマト運輸以外の配送会社が配達する商品については現状、置き配は指定できない。また、置き配の指定に対応するのは「ロハコ」の本サイトのみで、ヤフーの仮想モール「PayPayモール」の出店舗「LOHACO PayPayモール店」では「順次、開始していく」(同社)としており、スタート時点では対応していない。
「ロハコ」では2017年8月から、一部地域で実施する自社配送による小刻み時間指定配送サービス「ハッピー・オン・タイム」で玄関扉の前や車庫、物置の中、裏口・勝手口扉の前と顧客に事前に指定された4つの場所に配達(今年から指定可能場所を玄関ドア横と宅配ボックスのみとした)する置き配を開始している。ただ、「ハッピー・オン・タイム」は対象地域が東京(都内20区)および大阪(大阪市16区および豊中市、吹田市)の一部限定のサービスで置き配対応も当該エリアのみ。また、置き配の対象は戸建て住宅のみで、集合住宅は対象外としており、限定的なものだった。
コロナ禍の影響で非対面で荷物を受け取れる置き配のニーズが高まっていることを受けて、「ハッピー・オン・タイム」対象地域でないアスクルロジストが配送する都内の一部地域で今年2月から、今回、本格的に導入した置き配サービスのスキームでテスト運用を行い、一定の手ごたえを得たことから全国での実施に踏み切ったという。
なお、「ハッピー・オン・タイム」対象地域はこれまで通り、置き配は戸建て住宅限定となるが、今回、新たに開始した当該地域以外での置き配は戸建て住宅、集合住宅ともに対応する。また、置き配で盗難等の被害が出た場合の対応については、アスクルロジストが配送するエリアについては「ロハコ」のサイト上で「荷物の盗難などの被害があっても責任は持ちません」という但し書きに顧客がチェックを入れないと置き配を選択できないような形をとっており、アスクル側が全面保証する形式はとっていない。ただ、実際に被害があった場合には「お客様と相談しながら対応していく」(同社)という。同社によるとこれまで実施した置き配では盗難などのトラブルはないとしている。
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