H&Mの第3四半期(6~8月)業績は約2割減収、営業利益も半減したが、純利益段階まで黒字を確保し、大幅減収で赤字を強いられた第2四半期より業績の回復傾向が顕著だった。ヘレナ・ヘルマーソンCEO(最高経営責任者)は「予想以上にECが伸び、店舗の営業再開も早く、プロパー販売も増えたことが早期の回復につながった」とする。
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(柏木均之)
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最大で世界中の店舗の8割が休業した3~5月が大幅減収、赤字となった影響が響き、9カ月累計(19年12月~20年8月)でも売上高1344億8200万 クローナ (前年同期比21.4%減)、営業損益は7億9800万 クローナ の赤字(前年同期は119億6900万 クローナ の黒字)だった。
9カ月累計の国別売上高を見ても、米国や英国、フランス、イタリア、スペインなど新型コロナウイルスの感染拡大が続く市場で、2~3割減収が続き、中国もまだ25%減収と厳しい状況だ。ただ、第3四半期においては、6月時点で全世界5000店の2割近い900店がコロナ禍の影響で休業していたのに対し、8月末には200店まで減るなど、営業再開店舗が増えた。
こうした状況を反映し、6~8月は売上高508億7000万 クローナ (前年同期比18.7%減)、営業利益は27億 クローナ (46.3%減)で、減収幅が縮小、黒字も確保するなど、業績が好転の兆しを見せた。実店舗での販売は全体に減収傾向が続いたが、ECは36%増と2ケタの伸びを維持している。
ヘルマーソンCEOは「コロナ禍でECを使う顧客は増えており、実店舗とECが機能や役割を補完し合うビジネスの仕組みの重要度は増している。双方の販路をさらに使いやすいものにするため、迅速で柔軟な対応が可能なサプライチェーンの高度化を今後も進める」とする。
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