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繊研plus最近、意図的にファッション業界外への取材を増やしている。業界内で取材を重ねるだけでなく、伸びている他業種を取材して、そこからファッション業界にも生かせるヒントを導き出す方が理にかなっていると感じるからだ。
たとえば、高級車「レクサス」のブランディング術には、ヒントがあふれている。レクサスは、自社の〝匠のもの作り〟というメッセージを伝える一環として、全国47都道府県の若い工芸職人を地方新聞社と組んで発掘し、彼らの商品を一堂に集めてバイヤーに披露する「レクサス・ニュー・タクミ・プロジェクト」を行っている。「地方創生」の側面もあって、非常に時流に沿った企画といえる。
恐らくレクサスは、ラグジュアリーメゾンのブランディングを徹底的に研究している。匠のもの作りに焦点を当てることで自社のメッセージを伝える手法は、「シャネル」がメゾン・ルマリエやルサージュなどの工房に光を当てている活動に近い。
正直、全国の工芸品や職人に光を当てても、それがレクサスの販売台数増には直結しまい。しかし、売り上げに直結しないことに投資をすることこそがブランディングなのだと気付かされた。(五) (2017/03/03)
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