

米アマゾン・ドット・コムが1月29日に公表した前期(2015年12月)における日本(=アマゾンジャパン)の売上高は前年比4・4%増の82億6400万ドルだった。同社が同日に公表した米証券取引委員会に提出した年次報告書で判明した。同年の平均為替レート(121円)で円換算すると約9999億円と1兆円の大台に肉薄する計算となる。2014年12月期の日本の売上高を円換算した数字(※同年の平均為替レート105円で計算)はおよそ8300億円で、それとの比較では20・4%の増収となった。
前期は引き続き、仮想モール機能「アマゾンマーケットプレイス」の強化に注力。これまで直販商品に限定していた独自ポイント「Amazonポイント」の付与権限を2月から出店者にも開放し、出店者が自由に自社商品にポイントを付けられるようにしたほか、5月には同社初の優良出店者の表彰制度「Amazonマケプレアワード」をスタート。6月からは出店者向けにアマゾン内で販売する商品について、画像などを用いて訴求力の高い商品詳細ページを作成できる「商品紹介コンテンツ」の導入、10月には出店者向けの短期資金融資サービス「Amazonレンディング」の新商品として借換型ローンの提供など直販より伸びシロのある出店者の販促支援を強化した。
直販事業でも6月に日用品の特売ページ「ヤスイイね」や産業用資材や研究開発用品などの間接資材を販売する「産業・研究開発用品ストア」、工事付きリフォーム商品を販売する「リフォームストア」などの新たな専門ページの新設のほか、7月に大規模タイムセール「プライムデー」、毎日実施中のタイムセールの商品を通常スタートよりも30分早く購入できる「先行タイムセール」の開始、9月には映画やテレビ番組などの映像の見放題サービス「プライム・ビデオ」、食品や日用品をバラ売りする「Amazonパントリー」、11月には楽曲の聴き放題サービス「プライムミュージック」、受注から1時間以内など即時に配達するスピード配送「プライムナウ」の開始など同社有料会員「Amazonプライム会員」向けの特典として新機軸をスタートし、売上拡大を進めてきた。
また、5月からはネット販売企業向けにアマゾン顧客の登録情報を使って、当該サイトへのログイン・決済が可能となる「Amazonログイン&ペイメント」をスタートさせ、新たな収益源の育成も始めている。
なお、公開された売上高はアマゾンによる直販分や仮想モール事業における手数料収入など日本のアマゾンの売上高で「マーケットプレイス」に出店・出品する他社の売り上げを含んだ日本のアマゾンの流通総額ではない。流通総額は明らかにしていないが、関係筋によると1兆6000億円程度の模様だ。
同報告書では海外部門として日本以外にドイツとイギリスの2015年売上高も公表しており、それぞれ118億1600万ドル(前年比0・8%減)、90億3300万ドル(同8・2%増)。なお、北米の売上高は705億3700万ドルで前年比28・9%増だった。
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