「10 Mame Kurogouchi」
Image by: FASHIONSNAP
「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」が、ブランド10周年を記念した初の単独展「10 Mame Kurogouchi」を長野県立美術館で開催する。2011年春夏から2020年秋冬までのコレクションに共通する10のキーワードに沿って、これまでのアーカイブやデザインインスピレーションを展示し、ブランドの10年を振り返る内容となっている。会期は6月19日から8月15日まで。
長野はデザイナー黒河内真衣子の生まれ故郷。今年4月にリニューアルオープンした善光寺にほど近い長野県立美術館のスタッフユニフォームを手掛けたことから、オープニング展の一環として今回の展覧会の開催が決まった。
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展示室3のスペースに並ぶのは、時系列ではなく「ノート」「曲線」「刺繍」「長野」「色」「クラフト」「私小説」「夢」「テクスチャー」「旅」といったブランドを構成する10の要素からキュレーションされた展示品の数々。服だけではなく、黒河内が見た映画や出会った人など何気ない日常生活での気づきや、コレクションのブレインストーミングなど、ブランド創立前から綴ってきた約20冊に及ぶ直筆のパーソナルなダイアリーから抜粋したページを覗くことができるほか、刺繍工場とのやり取りを記した図案、旅行中に撮影したスナップなど、アイデア段階から「マメ クロゴウチ」の服が出来るまでの一連のプロセスを見ることができる。
<ノート>1シーズンに一冊描き続けているというノートから360ページを抜粋して公開
デビュー当初に掲げていた「現代社会における戦闘服」というブランドコンセプトは、今でこそ時代の変化とともに大々的には謳ってはいないが、根本的な考え方はブレていないという。黒河内は「服をまとった時に綺麗に見えたり、背筋が伸びる感覚がとても大切で、自分自身も『マメ』をたくさん着てきた中で、勇気づけられ、助けられた場面がたくさんあった。あくまで服ではなく着る人が主役。着る人の背中を押すような存在であり続けたいという点はずっと思い続けた10年だった。いまだに毎シーズン、どれを着ようか楽しみにしている自分がいる」と、この10年を振り返る。
パリのファッションウィークでの発表や発売初日を迎えたユニクロとのコラボレーションなど、グローバル規模の動きも近年顕著だが、長野というローカルな場所に立ち返ることについて、「当時は田舎の生活がつまらないと思っていたが、年を重ねるごとに自分が生まれ育った環境がとても豊かで恵まれていたことを実感できるようになり、自分が美しいと思う美意識や感覚は幼少期に育まれたものだと思っている。長野にいた時の私と同じように感じている若い人、デザイナーだけではなくどの職業を目指してる人にも、何かのきっかけになれば。この場所で展覧会を開催できたことは自分にとって一番意味のあることだと思う」と話し、故郷への想いを馳せた。
なお、7月には展覧会を記念し"読む展覧会"として作品集「10 Mame Kurogouchi」(税込2970円)を発売する予定。
■『10 Mame Kurogouchi』
会期:2021年6月19日(土)〜8月15日(日)
開館時間:9:00〜17:00(展示室入場は16:30まで)
休館日: 毎週水曜日
会場:長野県立美術館 展示室3
観覧料:一般 500円、高校生以下無料
会場: ⻑野県立美術館 展示室3
主催:⻑野県、⻑野県立美術館
共催:株式会社黒河内デザイン事務所、⻑野県教育委員会
協力:GALLERY-SIGN、公益財団法人致道博物館、有限会社弘前こぎん 研究所、モレスキン・ジャパン株式会社
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