ラグジュアリー・ブランド「ディオール(DIOR)」のメンズウエアラインは、2001-02年秋冬に始動。当時「イブ・サンローラン」でメンズウエアのデザイナーだったエディ・スリマンがアーティスティック・ディレクターを務め、カリスマ的なヒットを飛ばした。メインアイテムは、ロックに着想した華奢なジャケットやスーパースキニーデニムなど。今でこそ主流となった「ノージェンダースタイル」を先駆けて打ち出し、熱狂的なファンを獲得した。2007年、エディが退任しクリス・ヴァン・アッシュがアーティスティック・ディレクターに就任。2019年春夏からは、キム・ジョーンズが手がけている。同年、ブランド名をウィメンズと同じ「ディオール」に統合した。
DIORのコレクション
「ディオール(DIOR)」フォール2022メンズコレクション
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1973年、イギリス・ロンドン生まれ。エチオピアやケニアなど、アフリカのカリブ海諸国を転々と移る幼少期を過ごし、1998年にロンドンのカンバーウェル大学に進学。2001年、セントラル・セント・マーチンズ芸術大学でメンズウエアの修士号を取得。03年、自身の名前を冠した「キム ジョーンズ(KIM JONES)」を立ち上げ、04年春夏ロンドン・コレクションでデビュー。その後、英国の「アンブロ(UMBRO)」デザイナーに抜擢され、「トップマン(TOPMAN)」「マルベリー(MULBERRY)」「アレキサンダーマックイーン(Alexander McQueen)」でデザインを経験。08年から2年間「ダンヒル(dunhill)」のクリエイティブディレクターを務め、メンズウェアとレザーアクセサリーのデザインを統括した。2011年、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ部門のアーティスティックディレクターに就任。「クリストファー・ネメス(Christopher Nemeth)」や「シュプリーム(Supreme)」「フラグメント(fragment design)」とのコラボレーションを実現し、大きな反響を呼んだ。18年に「ルイ・ヴィトン」を離れ、「ディオール オム(DIOR HOMME)」のレディ・トゥ・ウエアとアクセサリーコレクションのアーティスティック・ディレクターに就任。
目次
- PERSON -
「ディオール オム」の人気を確かなものにした立役者、エディ・スリマン
初代アーティスティック・ディレクターのエディ・スリマンの手がけた「ディオール オム」はカルト的な人気を博し、メンズ界に旋風を巻き起こした。ロックやストリートにインスパイアされたモードなテーラリングが大ヒット。男性にスキニーパンツを定着させ、ナロータイやタイトなブラックスーツがトレンドになった。エディが手がけた過去のアイテムは現代でもコレクターが多く、アーカイブ品の展示販売会が開かれるほど。カール・ラガーフェルドがエディのタイトなスーツを着こなすために、マイナス50kgものハードなダイエットを行った逸話もある。2007年秋冬コレクションをもって退任し、現在は「セリーヌ(CELINE)」で手腕を発揮している。
- CHARACTERISTIC ITEM -
売れ筋アイテムはスーツやスニーカー、人気ブランドとの限定コラボ
元来テーラードを得意とするブランドゆえ、端正な仕立てのスーツがアイコン。スポーツやストリートを融合するキム・ジョーンズならではの、エレガントでコンテンポラリーなスニーカーシリーズも人気。2020年から「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」ともコラボレーションしている。意表を突くコラボでも注目を集め、2021年は、ラッパーのトラヴィス・スコットとのコラボレーションのほか、「サカイ」とのカプセルコレクションを発表し、話題をさらった。
- JEWELRY -
ジュエリーは「アンブッシュ®︎」YOONがデザインを担当
「ディオール」メンズのジュエリーデザイナーは、2018年から「アンブッシュ®︎」YOONが手がけている。「DIOR」のロゴをキャッチーにのせたリングやネックレス、ブレスレットのほか、「CD」のシグネチャーを大胆にあしらったジュエリーなどを展開。YOONらしいストリートなムードが漂うアイコニックなデザインがそろう。
- SHOP -
メゾンのすべてが集結する「ハウス オブ ディオール ギンザ」
ソウル、ロンドンに次ぐ世界3店舗目のストア「ハウス オブ ディオール」を2018年、東京・銀座のギンザシックスにオープン。地下1階〜地上4階の5層構造で、フルラインをそろえている。4階には、「ラデュレ」と協業したカフェ「カフェ ディオール バイ ラデュレ」のほか、テーブルウエアやリネンを提案する「ディオール メゾン」も。
- COLLECTION -
最新の2022年フォールコレクションの特徴
ブランドにとって初めて、イギリス・ロンドンでメンズコレクションのショーを開催した。時代を切り拓いたアメリカ人作家、ジャック・ケルアック(Jack Kerouac)に着想。会場となった商業施設のザ・オリンピアで、代表的な小説「オン・ザ・ロード」のスクロール原稿をランウェイに敷いた。コレクションは、「ディオール」のDNAであるクチュールに、アメリカン・スポーツカジュアルを融合。テーラードジャケットにショーツをつないだり、フェアアイルニットにはスパンコールをたっぷりあしらったり。メゾンならではの繊細なテクニックを、リラックスフィットのスポーティーなスタイルに落とし込んでリアルクローズに着地させた。アイコンの「サドル」バッグは、クライミング用のコードやメッシュ素材を使ってアウトドアのムードをプラス。足元は、ボリューミーなハイキングシューズがキーアイテムとして存在感を放った。
「ディオール(DIOR)」フォール2022メンズコレクション
主要年表
【2021年】
エディ期のコレクションが集結
【2019年】
エディのコレクションが揃う限定展が阪急メンズ東京にオープン
阪急メンズ大阪に世界初のレザーグッズコンセプトショップ出店
【2018年】
2019年プレ・フォールのショーを日本で開催
「ディオール」メンズが新たな幕開け キム・ジョーンズによるデビュー・コレクション発表
エディの過去作をArchive Storeが展示販売
ベッカムがキム・ジョーンズの新生「ディオール オム」着用
「アンブッシュ®︎」YOONが「ディオール オム」ジュエリーデザイナーに就任
クリス・ヴァン・アッシュが「ディオール オム」を去る、後任はキム・ジョーンズ
「アトリエ」レザーグッズシリーズ登場
2018年サマーキャンペーンでPet Shop Boysを起用
デニムコレクションの展開を開始
【2017年】
アーティストのダン・ウィッツとコラボ
クリス・ヴァン・アッシュによる「ディオール オム」10周年ショー開催
東京で発表した新作コレクションを翌日に発売
「ディオール」がウィメンズとメンズのイベントを東京で同日開催、デザイナーがそろって来日
日本人アーティスト亀井徹の作品を起用
【2016年】
ロバート・パティンソンを被写体に カール・ラガーフェルドが撮り下ろし
【2015年】
日本限定アクセサリーライン”DARK LIGHT”13種発売
【2013年】
アジア初のメイド・トゥ・オーダーを銀座で開始
旗艦店の表参道ブティックをリニューアル
【2011年】
ビジネスラインがデビュー
【2010年】
初のiPadケース発売
【2007年】
エディ・スリマンの後任としてクリス・ヴァン・アッシュがアーティスティック・ディレクターに就任
【2001年】
「クリスチャン・ディオール」(当時)のメンズラインとしてブランド始動
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