今年のお買い物を振り返る「2021年ベストバイ」。12人目は、「ユキ フジサワ(YUKI FUJISAWA)」を手掛けるデザイナー藤澤ゆきさん。NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」のタイトルバックのテキスタイルを手掛けたことで注目を集めたほか、シンガーソングライターのカネコアヤノさんとの新プロジェクトを始動させるなど、新境地を切り開く藤澤さんが選ぶ2021年に買って良かったモノ10点。
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リノベーション住宅
FASHIONSNAP(以下、F):まずは、リノベーションされたというご自宅から。今回のラインナップの中では一番大きなお買い物ですね。
藤澤ゆき(以下、藤澤):そうですね。引っ越したばかりなので、人を招くのは今回が初めてなんです。
F:ではメディア初公開ですね。家を購入された経緯は?
藤澤:家の更新のタイミングが迫っていたこともあって、1年半ぐらい前から新居探しを始めて。猫を飼っているので、猫OKの物件を探していたんですが、賃貸だと中々良い物件が無いんですよね。すごく家賃が高いか、すごく古いかの2択で。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増える中で、自分たちが理想としている家に住みたいという思いは強くあったので、購入を決めました。
F:築何年の物件ですか?
藤澤:5年くらいですね。割と新しい物件に出会えました。リノベーションは共通の知人がいる、スタジオアルクさんにお願いしました。
F:落ち着きのある素敵な空間ですね。
藤澤:コンセプトは色々迷走したんですが、スタジオアルクさんと一緒に考えながら、北欧テイストをベースにしたテイストにしました。ヴィンテージの家具が好きなので、それらが上手く溶け込む空間を意識して。
F:間取りは2LDK?
藤澤:もともとは3LDKの物件だったんですが、壁を抜いて2部屋を一つの空間にしました。リビングで過ごす時間が多いので、寝室はコンパクトにしつつ、リビングを広めに設計して。あとは、パートナーがお菓子作りが好きなので、熱伝導が良い素材を選ぶなど、キッチン周りはお菓子が作りやすい環境を整えました。そして絶対作りたかったのは猫ドア。飼い猫の「ねこさん」が快適に暮らせる、猫ファーストな家になるようにこだわっています。
F:フローリングはあまり見ない色味ですね。
藤澤:そうなんです。かなり時間をかけて選びました。これは特注の床で、木目のところに白を入れてもらっていて。木目がはっきりと見えて、部屋全体が明るい印象になるのでとても気に入っています。
F:住み始めてみていかがですか?
藤澤:自分たちのこだわりをしっかりと住空間に反映できたので、購入して良かったなと。まだ引っ越したばかりなので、家具は徐々に揃えていけたらと思っています。
PP Møbler PP701
F:こちらの椅子はハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)が手掛けた代表作ですね。
藤澤:PP701ってデンマークの家具メーカー「PPモブラー(PP Møbler)」が作っているのですが、ウェグナーの作品ってこの他にもさまざまなメーカーから出ているんですよね。カール・ハンセン&サンで展開しているモデルは「CH」と付いていたり。同じウェグナー作品でも微妙にディテールが異なるそうで、色々と調べていくうちに、家具って面白いなとどんどん沼にハマっていきました(笑)。
F:購入の決め手は?
藤澤:ヴィンテージ家具のお店もいくつか周りましたが、現行モデルは好きな色を組み合わせられるのも魅力だなと思い、PP701は現行モデルを購入することにしました。木製部分の色味と張り地の色が選べるので、どの組み合わせが家の雰囲気にマッチするか結構考えましたね。
F:以前から家具に興味があった?
藤澤:興味はあったもののあまりこだわりは無かったんですよね。スタジオの椅子なんて何を使っていたか思い出せないぐらい(笑)。「賃貸の家にこんな名作を置いてもなあ...」なんて思っていたので、買うタイミングが中々なかったんですが、引っ越しを機に新調しようと家具のことを改めて調べ始めてみると、同じデザイナーの作品でも年代によってデザインがアップデートされていたりとか、新たな発見が色々とあって面白かったです。
F:他にウェグナーの作品は購入されたんですか?
藤澤:「ザ・チェア」も購入しました。
Peter Hvidt & Orla Molgaard-Nielsen ヴィンテージソファ
F:続いてはヴィンテージソファ。あまり使い古した感じがないですね。
藤澤:木製の脚の部分はそのままですが、張り地は新しくしています。中目黒の「HIKE」というヴィンテージ家具のお店で購入したんですが、家具のメンテナンスをすごく丁寧にされているところで。
F:このソファを選んだ決め手はなんですか?
藤澤:一番の決め手は後ろ姿ですね。あえて背中側が見えるように置いても綺麗なんです。あとはこのソファ、解体して使うことができて。ライフスタイルの変化に合わせて肘掛けの部分などを外して使うことができるので、引っ越しの際も便利ですよね。
F:ヴィンテージ家具の魅力ってなんだと思いますか?
藤澤:ヴィンテージ家具はやっぱり出会う楽しさがあるのが魅力。あと人から人へと受け継がれて長く愛され続けられるのも素敵だなと思います。
「BLUE LUG」「PORTER」ミニバッグ
F:今年購入したバッグはどちらもミニサイズなんですね。まずはバイクショップ「ブルーラグ(BLUE LUG)」のミニバッグから。
藤澤:ブルーラグには昨年自転車を購入して以来、メンテナンスや何か相談などがある度に訪れています。このバッグは本来は飲み物などを入れるためのバッグですが、私は鍵を入れるために使っていて。このU字ロック、すごく重いんですよね。以前、ハンドル部分に引っ掛けていたら自転車が傷ついてしまって困っていたところを、ブルーラグの方にこのバッグをおすすめしてもらいました。
F:紐やロゴがネオンカラーになっていてアクセントが効いています。
藤澤:このバッグ、色やデザインなど種類がとても豊富なんです。猫がスケボーのような乗り物に乗っているデザインがお気に入りです。
F:続いては「ポーター(PORTER)」のバッグです。
藤澤:引っ越してから自転車で移動する機会が増えたので、自転車に乗る時に使い勝手の良いバッグを探していて。スマホ、鍵、お財布がちょうど入るサイズで、自転車に乗る日以外でもちょっとしたお出かけに使えるので、重宝しています。
F:お仕事の時など普段はどんなバッグを使っていますか?
藤澤:自分のブランドのトートバッグもよく使っています。あと結構前に買ったものですが「ポータークラシック(PORTER CLASSIC)」のバックパックを愛用しています。確か限定モデルか何かで、後加工が施されていて表面にアタリが出ているんですよ。ヴィンテージっぽい風合いが気に入ってます。
F:確かにあまり見ない色味ですね。
藤澤:素敵ですよね。これはPCを持ち運ぶように買ったもので、前に大きなポケットが付いていたりととても使い勝手が良いんです。
ippei takei ジーンズ
藤澤:「イッペイタケイ(ippei takei)」は大阪のご夫婦がやっているブランドで、中学生くらいの時に初めて父に連れられて展示会に行きました。すごく好きなブランドです。
F:かなり長い付き合いのブランドなんですね。
藤澤:持っている服の約半分がイッペイタケイです(笑)。縫製工場で働いていた経験もある一平さんが引くパターンが本当に美しいんですよ。
F:ジーンズを購入した理由は?
藤澤:イッペイタケイのパンツは動きやすいし、シルエットがすごく綺麗なんですよね。ジーンズのベルトループが少し下の位置に付けられていたり、ポケットの内側にスレキが使われていたりと、細部に至るまでこだわりが感じられて。あとはパッチの素材も少し変わっていて可愛いんです。
F:何と合わせることが多いですか?
藤澤:トップスはタートルネックとか、シンプルなニットを合わせることが多いですね。
F:東京で取り扱っている店舗はないですよね?
藤澤:残念ながらそうなんですよ。大阪にアトリエショップがあるのと、その他大阪のショップで卸売をしているようです。アトリエショップには、大阪に行った際に時間があれば必ず行くようにしています。
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