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ロレアル24年通期は増収増益 「ミュウミュウ」ライセンス取得や「ドクタージー」買収でさらなる成長へ

ロレアル ファイナンスサイトより

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ロレアル24年通期は増収増益 「ミュウミュウ」ライセンス取得や「ドクタージー」買収でさらなる成長へ

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 ロレアルが、2024年12月期通期の決算を発表した。売上高が前期比5.6%増(実質5.1%増)の434億8680万ユーロ(約6兆8274億2700万円)、営業利益が同6.7%増の86億8750万ユーロ(約1兆3639億3700万円)、純利益が同4.6%増の67億8630万ユーロ(約1兆654億4900万円)の増収増益だった。すべての事業部門においてプラス成長が見られ、中でも「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」や「スキンシューティカルズ(Skinceuticals)」を展開するダーマトロジカル ビューティ事業部が最も伸長した。地域別では、中国市場の低迷が続く北アジアを除き、すべての地域で売り上げを伸ばした。

 事業部別の売上高は、プロフェッショナルプロダクツ事業部が同5.0%増(実質5.3%増)の48億8620万ユーロ(約7671億3300万円)。プレミアムヘアケアの力強い勢いとオムニチャネル戦略により、欧州と北米の先進市場から、中国、GCC6(サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン)、ブラジル、メキシコなどの新興市場まで、全地域で幅広く伸長した。ヘアケアではダメージケアの「プルミエール」で人気を集める「ケラスターゼ(KÉRASTASE)」が2桁台の力強い成長を維持し、事業部内最大のブランドへと進化。また、詰め替え式製品の積極的導入を通して持続可能な事業への移行を進めている。

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 コンシューマープロダクツ事業部は、マスビューティ市場の民主化とプレミアム化を目指す戦略を推進し、販売量・価格・構成比のバランスに注力したことから、同5.3%増(実質5.4%増)の159億8240万ユーロ(約2兆5092億3600万円)を売り上げた。欧州と新興市場における力強い勢いが、市場の成長鈍化の影響を受けた米国と中国の不振を相殺。メキシコ、ブラジル、インド、タイでの好調な結果が、新興市場に戦略の重点を置いていることを裏付けた。ヘアケアは、新作の「エルヴァイヴ グリコール グロス」シリーズを含む「ロレアル パリ(L'Oreal Paris)」がけん引し、同事業部内で最も成長が見られた。スキンケアは、自然由来の成分を使用する仏発ブランド「ガルニエ(Garnier)」や欧州で展開する敏感肌向けブランド「ミクサ(Mixa)」の好調を維持。メイクアップでは、ロレアル パリのヒットマスカラ「パノラマ」や、「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」のリップ「テディティント」、「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX Professional Makeup)」のチーク・ブロンザー「バターメルト」などの新作を含む下半期発売計画が売り上げに寄与した。

 北米で好調のリュクス事業部は、同4.5%増(実質2.7%増)の155億9110万ユーロ(約2兆4478億200万円)に着地。北アジアでは、展開を始めたばかりの「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」と「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」を拡大させたほか、グループ傘下の「イソップ(Aēsop)」と「タカミ(TAKAMI)」が好調に推移し、オフラインとオンラインの両方で成長が見られた。フレグランスでは、プラダ ビューティの「パラドックス」、ヴァレンティノ ビューティの「ボーン イン ローマ」、「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」(以下、YSL)の「リブレ」といったフェミニン系、「アルマーニ ビューティ(ARMANI beauty)」の「ストロンガーウィズユー」、「アザロ(Azzaro)」の「ウォンテッド」、「ラルフ ローレン(Ralph Lauren)」の「ポロ 67」、YSLの「MYSLF」などマスキュリン系の両カテゴリーで成功を収めた。メイクアップでは、YSLのリップシリーズ「YSL LOVESHINE」とベースメイク「タッチ エクラ」が好評を得て成長を加速させ、欧米市場および中国で好調を維持。スキンケアでは、イソップ、タカミ、「ユース トゥ ザ ピープル(YOUTH TO THE PEOPLE)」のグローバル化戦略を推し進めた。

 ダーマトロジカル ビューティ事業部は、同9.8%増(実質9.3%増)の70億2710万ユーロ(約1兆1032億5400万円)を計上した。緩やかな減速にもかかわらず活況を呈する同市場をリードし、新興国や欧州で力強い勢いを維持したことから全地域でプラスに成長。ブランド別では、「メラ B3 セラム」の人気に後押しされたラ ロッシュ ポゼが、欧州と北米で好調。皮膚科医監修の米発ブランド「セラヴィ(CeraVe)」は、米国での安定化にもかかわらず、新興市場を中心とした国際的な拡大が進み、売上高20億ユーロの大台を突破した。「スキンシューティカルズ(Skinceuticals)」は、アンチエイジング美容液「P-TIOX ペプチドセラム」の発売により、2桁成長を達成している。

 地域別では、ヨーロッパが同9.3%増(実質8.2%増)の142億1140万ユーロ(約2兆2311億8900万円)で、ヘアケア、フレグランス、メイクアップの各カテゴリーで2桁成長を達成し、グループ全体の成長に大きく貢献。北米は、継続的なチャネルの拡大により、同5.9%増(実質5.5%増)の118億500万ユーロ(約1兆8534億1600万円)を売り上げた。YSLやヴァレンティノ ビューティのフレグランスが好調に伸長し、スキンケアでは「キールズ(Kiehl’s)」のAmazon参入や新商品の発売計画が奏功した。南アジア太平洋、中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカで構成されるSAPMENA–SSAは、同12.0%増(実質12.3%増)の38億6300万ユーロ(約6064億9100万円)を記録。特にオーストラリア、ニュージーランド、タイ、サウジアラビア、ベトナム、インドの売り上げが大きく貢献し、リュクス事業部のフレグランスとダーマトロジカル ビューティ事業部のスキンケアが好調だった。ラテンアメリカは、同13.3%増(実質11.0%増)の33億390万ユーロ(約5187億1200万円)に伸長。経済危機の影響を受けたアルゼンチンに対し、メキシコとブラジルが売り上げをけん引し、ヘアケアカテゴリーの成長が顕著に見られた。一方で、中国本土でビューティ市場のマイナス成長が続く北アジアは、同3.4%減(実質3.2%減)の103億340万ユーロ(約1兆6176億3300万円)に落ち込んだ。リュクス事業部とコンシューマープロダクツ事業部で売り上げが減少したのに対し、セラヴィが好調のダーマトロジカル ビューティ事業部は2桁成長を達成。昨年12月には皮膚科医が創業した韓国発のスキンケアブランド「ドクタージー(Dr.G)」の買収を発表。コンシューマープロダクツ事業部に加わり、Kビューティへの需要の高まりに対応する。

 CEOのニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)氏は、「2024年はロレアルを未来に適合させ、次なるステップに向けて多くの基礎を築いた決定的な1年となりました。AIとテクノロジーによるマーケティングと研究開発能力の強化、ITとの融合の促進、組織構造の簡素化、産業とサプライチェーンの強化を行いました。また、『ミュウミュウ(MIU MIU)』のライセンス取得や韓国のスキンケアブランド・ドクタージーの買収、スイス発のスキンヘルスカンパニー『ガルデルマ(GALDERMA)』と中東発のラグジュアリーフレグランスブランド『アムアージュ(Amouage)』の少数株式の取得を行いました。これにより、革新的な科学に基づいた美容ソリューションを提供し、新たな領域への進出をより早く、より深く進めることができるでしょう。2025年は、この第一歩を踏み出すにあたり、世界のビューティ市場の見通しについて楽観的であり続けるとともに、売上高と利益のさらなる成長を確信しています。わくわくさせるような新商品の発売と強力なブランドからの継続的なサポートによる成長の加速を期待しています」とコメントした。

1ユーロ=157円

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