人生は、「貪欲」より「楽しく」
闘病を経て 米倉涼子の現在
── 米倉さんといえば、「誰もが憧れるかっこいい大人の女性」というイメージが強いと思いますが、ご自身にとってのロールモデルや「憧れの大人像」があれば教えてください。
子どもの頃は、漠然と「キャリアウーマン」というイメージがありました。夢というより、ただそれが自分の“形”だと思っていたんです。でも、ここ20年くらい素敵だなと思っているのは、自分のヴィジョンを持ち、大人になって起こる色々な浮き沈みを受け入れ乗り越えようとしている人。「貪欲」というより、「楽しく」人生をエンジョイしたいというヴィジョンを持っている人たちに憧れています。普段からそういう人たちと一緒にいて、いつも刺激をもらっています。
── 前向きな姿勢の通り、海外進出や事務所立ち上げなど、新しいことにも積極的に挑戦されている米倉さんですが、その原動力は何なのでしょうか。
原動力がどこから来るのか、なんてことは考えていないのかもしれません。やりたいと直感的に思ったことに対して、一歩踏み出せるかどうかは、その時の気持ちと体調次第。ここ数年は病気*の影響で全然ダメでしたが、「今ならいけそう」と思って、最近はファッションの仕事もさせていただいています。今日の撮影もすごく楽しくて「いい日が過ごせたな、幸せだな」と思うし、そういうふうに「いい日が“過ごせそう”だな」と思うところに足を向けていきたいと思っているだけ。理想とか目標が具体的にあるわけじゃなくて、インスピレーションのままに生きています。
── インスピレーションはどのような瞬間に?
本当、ふとした時にです。ただでさえ、人って我慢することが多いじゃないですか。「やらなきゃいけないこと」とか、「大人としてこうあるべき」みたいなもので不自由な思いをすることは必ずある。だからこそ、自分が心からやりたいと思ったことは、実現したいんです。
── 闘病を経て、価値観に変化はありましたか?
疲れることや辛いことなど、身体に様々な異常が出てくることって、きっと誰しもあることだと思うんです。だから、それで自分を責めるのではなくて、その状態の中でその時の自分にできることを考えるようにしました。今までは、目の前のやりたいことに対して限界以上に無理をしてしまいがちだったけれど、今では自分に対して厳しくなりすぎず「できない時はそれでもいいか」と思えるようになりました。それに、だいぶ人にも優しくなったかな(笑)。
── そういった変化は「ファッション」に対しても?
「自分に厳しくなりすぎず」とは言っても、せっかくならこれからも楽しく洋服が着られたらいいなと思っています。今まで大切にしてきた洋服をこれからも大切に着続けられるよう、維持していきたいなと考えています。
── 今日着用されたベロアオールインワンは、LANVINのセカンドラインである「LANVIN COLLECTION」の新作です。
ずっと触っていたいくらい本当に肌触りが良くて、とても気に入りました。オールインワンでサイズがぴったりなものを見つけるのが珍しいので、個人的にも購入したいくらいです。
自分に厳しくなりすぎず
「できない時はそれでもいいか」と
思えるようになりました。
「できない時はそれでもいいか」と
思えるようになりました。
自分に厳しくなりすぎず
「できない時はそれでもいいか」と思えるようになりました。
「できない時はそれでもいいか」と思えるようになりました。
── ご自身が服を選ぶ際のこだわりは?
ブランド名やロゴの主張が激しいものではなくて、肌触りや着心地が良くリラックス感があって上質なものが好きです。自分の身体に合っているサイズやシルエットのものを見つけると、つい大人買いしちゃいます。
── LANVINは今年135周年を迎えました。着用いただいたLANVIN COLLECTIONは、そんなLANVINがパリで培った精神を詰め込んだコレクションです。歴史や風格を感じる洋服が似合う大人になるために、若い読者へアドバイスをお願いします。
私が聞きたいくらい(笑)。今は、人それぞれのスタイルが許容されつつある時代だと思います。でも、ブランドに関わる多くの方々が丁寧に、大切に作り上げてきた歴史やそのエッセンスを感じる洋服を着る時は、服に見合うちゃんとバランスが取れた身体でありたい。今回着させていただいたアイテムにもとても刺激を受けました。背筋が伸びる服を着て出かける機会を大事にしたり、カジュアルなものからドレスまで色々な洋服を楽しめる自分でありたいと思っています。
ストレッチベロアオールインワン(受注生産) 35万2000円(税込)/LANVIN COLLECTION