
Image by: YOHEI OHNO
大野陽平が手掛ける「ヨウヘイ オオノ(YOHEI OHNO)」が発表した2025年フォールコレクション。
ショー形式で発表した2024年秋コレクションのテーマ「かつて憧れたラグジュアリーファッションと現在の自分との心的距離」が現在も自身の根幹にある、と語る大野。今季は、デビュー10周年を経て「変わらずラグジュアリーとは程遠い、素朴な日常の中で『塑像』を繰り返す自分」という現在地を俯瞰し、“造形”という大野自身にとってのエッセンシャルな行為に向き合ったという。
コレクションでは、四角形のパターンから展開し、着物のような平面と西洋的なドレーピングやテーラリングの技術を組み合わせた造形が特徴のジャケットやシャツをはじめ、内側に付属する独立したパッドによって肩から背中にかけて建築的な空間をデザインした半球状のウールコートや、楕円形のみで構成されたミニドレス、2024年春の「ラグビーボール型ドレス」から発展させ、“何かの飛行物体のような未知のシルエット”を目指したビスチェドレスなどが登場。人間の身体と衣服との関係性に図形や建築的な空間を取り入れることによって、新たなフォルムや身体像を探求することを目指す、ヨウヘイ オオノらしいアプローチを遺憾無く発揮した。
素材使いには、これまでも度々着想源としてきたバウハウスや、ドイツの現代アーティスト ヨーゼフ・ボイスの作品における乾いた質感を反映。黒やグレー、ブラウン、カーキ、白を基調とした質素なカラーパレットにより、フォルムや質感を引き立てた。
また、今季は肉厚なダンボールジャージーや尾州産の薄手の起毛ウールジャージー素材などを用いた、造形美と快適性を兼ね備えた「彫刻的なラウンジウェア」も登場。昨年末の10周年記念イベントで製作・販売したフロアランプやテーブルを、大野の友人・知人が実際に部屋で使用している光景から着想を得て、ヨウヘイ オオノの家具やインテリアのある空間でくつろいでいる人々の姿を想像したところから生まれたという。
そのほか、日本画出身のアーティスト 森夕香とのコラボレーションピースとして、「楕円形のみで構成されたドレス」を応用し、中国古代の神話に登場する「溥儀(ふぎ)と女媧(じょか)」のような男女の「尾」が交差するモチーフの絵画をあしらったドレスも提案。建築や美術、幾何学的図形などがシームレスに溶け込んだフォルムが、素朴な質感や色味とともに体現された衣服たちからは、今の大野がもつ美学と世界や生活へのまなざしが確かに感じられた。
































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2015年に大野陽平が立ち上げたウィメンズブランド「ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)」。「シェイプやフォルムの自由な考察とモダンな女性像の提案」をコンセプトに掲げ、古今東西のニュアンスを感じることのできる構築的でエレガントなシルエットを活かしたコレクションを発表している。2021年には、デザイナー自身が収集した着物の反物を使用たプロジェクト「3711 Project」をスタート。

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文化服装学院で洋服作りの基礎を学び コンテストの賞で英ノッティンガム芸術大学に留学。帰国後、2015年に「ヨウヘイオオノ( YOHEI OHNO)」を立ち上げる。 2015年秋冬にファーストコレクションを発表。
