Image by: OWENSCORP
「リック・オウエンス(Rick Owens)」が、2025年春夏ウィメンズコレクションをパリにあるパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)で発表した。6月のメンズショーに引き続き大規模なモデル数で、パリにあるすべてのファッション学校に依頼して出演が決まった学生や教職員、加えてリック・オウエンスが敬愛するアラナ・スター (Allanah Starr)をはじめとするアーティストやデザイナーといった友人たちで構成。
ショーで似通ったウェアのモデルがグループを作ってウォーキングする構図は前回と変わりないが、新たに建物の屋上から花びらを降らせる演出が加えられた。当日のパリは雨に見舞われ、来場者には雨避けのためポンチョが配られたが、リック・オウエンスの言う「不寛容のピーク」に光を差し、寛容を促すかのように、ショー直前には奇跡的に陽の光が差し入るまで天候は回復した。
コレクションタイトルはメンズと同様「ハリウッド」。芸術家やアウトサイダーたちが集う自由な場所を求めた思いが込められており、流れるようなシルエットのレザージャケットやケープ、フリルをあしらったシュラフ、フード付きチュニックなど、リック・オウエンスらしい黒を基調としたダークな世界観を追求。天然繊維を意味するGOTS認定のオーガニックシルクやZDHC認証を受けたデニムウォッシュを用いるなど環境にも配慮した。また、膨らんだブーツは、継続してコラボレーション製作しているロンドンのデザイナー、ストレイテュケイ(Straytukay)によるもの。ジップジャケットとコートは、ヴィンテージの細幅織機で作られた硬質なコットンとリサイクルポリエステルを用いており、これは1912年創業の織物工場「ボノット(VENETO)」との継続的なコラボで実現した。
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アメリカ・カリフォルニア出身のリック・オウエンス(Rick Owens)が立ち上げたブランド。ミニマリズムや建築、グラフィックアートを彷彿とさせる独自の美学を落とし込んだ、アヴァンギャルドなコレクションを提案している。洗練されたエレガンスとグランジなどのアンダーグラウンドの2面性を持つ、しなやかで力強いデザインが特徴。顧客はマドンナやケイト・モス、コートニー・ラブといった海外セレブも多く、全身「リック・オウエンス」でコーディネートする熱狂的なファンも抱える。ジャージー素材のアイテムで構成された「リック・オウエンス・リリーズ(RICK OWENS LILIES)」や家具のライン、デニムを中心とする低価格帯のディフュージョンライン「リック・オウエンス・ダークシャドウ(RICK OWENS DRKSHDW)」も手掛けている。
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