pillings2025年春夏コレクション
Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:Kara Chung
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pillings2025年春夏コレクション
Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:Kara Chung
村上亮太が手掛ける「ピリングス(pillings)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S」で2025年春夏コレクションをランウェイショー形式で発表した。会場は科学技術館。
同ブランドは、2014年に村上が母・村上千秋と一緒に立ち上げたブランド「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」を前身とし、2020年から現在の「ピリングス」に改名。「ものづくりの愛おしさ、背景を創造性を持って伝えていくこと」をコンセプトに掲げ、ニッターの手仕事の温かみをダイレクトに感じるようなハンドニットアイテムを中心としたコレクションを通して、「不器用で、社会との折り合いがなかなかつかず、生きづらさを感じている人」という人間像を一貫して提示し続けている。
今シーズンは、過剰な演出やダイナミックな広告などをよく目にする日々の中で、何気ない日常の中の美しさを捉える視点を失いつつある感覚を抱いていたという村上が、「そういった視点を持つことが、自分にとって実は一番幸福なことなのではないか」と感じたことからスタート。古井由吉の小説「杳子」に登場する女性像や、日常を丁寧に細やかに描写する古井の作風から着想を得て、「内向的な人が外に出ていく美しさ」を過剰な装飾やカラートーンを極力抑えたルックで表現した。
今季は、これまでピリングスのシグネチャーであったデコラティブで手編みの温もりを感じるようなハンドニットアイテムは影を潜め、機械編みによるシンプルな薄手のハイゲージニットと布帛のアイテムからなるルックを中心に構成。ベージュトーンを基調としたシンプルなニットプルオーバーやカーディガン、クラシックなシルエットのスラックス、布帛のブラウスといったアイテムが新鮮な印象を与えつつも、タックによる独特のシワや溜まり、歪みといったディテールでピリングスらしさを発揮した。
また、コレクション全体に特徴的な要素として用いられたのが、レースカーテンをはじめとした透け感のある素材。今季のもう一つのイメージソースだという「レースカーテンが揺れている光景」から着想を得て、レースカーテン柄に編んだニットの上から樹脂コーティングを施したドレスをはじめ、片袖や両袖を抜いて着ることができるレイヤー状のデザインのニットカーディガンや布帛のブラウスのほか、内側の構造が透けて見えるオーガンジー素材のパンツなどが印象的に登場した。
ABOUT THE BRAND
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村上亮太が手掛ける「ピリングス(pillings)」は「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」としてブランドをスタート。2017年秋冬コレクションまで母・村上千秋と2人で制作を続けていたが、2018年春夏コレクションから村上亮太単独でデザインを手掛けている。2020年にブランド名をピリングスに改名した。
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上田安子服飾専門学校卒業後、山縣良和による「ここのがっこう」でファッションを学ぶ。リトゥンアフターワーズのアシスタントを経て、2014年に「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」を立ち上げる。2020年には「K'sK」代表の岡本啓子と共に、ニットスクール「アミット(AMIt)」を開校。ニットを通したコミュニケーションの場作りにも注力している。
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