pillings2025年秋冬コレクション
“ピリングスなりの普遍性”を再考
Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:FASHIONSNAP(Ippei Saito)

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pillings2025年秋冬コレクション
“ピリングスなりの普遍性”を再考
Image by: Runway:FASHIONSNAP(Koji Hirano)、Backstage:FASHIONSNAP(Ippei Saito)
村上亮太が手掛ける「ピリングス(pillings)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W」で2025年秋冬コレクションをランウェイショー形式で発表した。
会場となったのは、品川インターシティホール。会場内を真っ直ぐに伸びる木製のランウェイの上部にずらりと並んだ61個の電灯は、2022年秋冬コレクションのショーで天井から逆さに吊り下げられた、“現実”の象徴としてのグランドピアノをより抽象化して表現したという。
「ピリングス」として11回目のコレクションとなった今回は、「ピリングスなりの普遍性」をテーマに製作。これまで多様な挑戦や試みを行ってきた歴代の10回のコレクションで作り上げてきたものを改めて見つめ直し、ブランドにとっての“普遍性”や“クラシック”を形にすることを目指した。
コレクションでは、強縮絨をかけた毛玉だらけのウールニット地の下から裏地がはみ出たジャケットやスカート、いたるところにこぶや窪みがあしらわれたニットカーディガン、身頃に散りばめられたポケットから袋布がだらりと表に飛び出した装飾、レトロなノルディック柄のニットプルオーバーなど、まさにピリングスが歴代のコレクションで提案してきたアイテムや要素をふんだんに採用。社会の中で生きづらさやわだかまりを抱える人間像や、ハンドニットの温もりや愛おしさを存分に感じるルックが続いた。
一方で、今季は先シーズン新たに挑戦したハイゲージの機械編みニットや布帛を用いた表現を活かした、繊細なタックやドレープをあしらった薄手のニットジャケットやカーディガンなどが登場。ピリングスらしいシワやポケットの装飾にも、今回はメタルファスナーを多用することで、これまでにない強さやアクセントを与えていた。そのほか、強い縮絨をかけたニットプルオーバーにケーブル編みのセーターが埋まっているように見えるアイテムや、初のオリジナルシューズを発表するなど、新たな表現も模索。全体として歴代のピリングスらしさを踏襲しながらも、ニットによる多様で新しい表現や技術を常に追い求め続ける、ブランドとしての姿勢や矜持を改めて感じるコレクションとなった。




































































































































































































ABOUT THE BRAND
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村上亮太が手掛ける「ピリングス(pillings)」は「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」としてブランドをスタート。2017年秋冬コレクションまで母・村上千秋と2人で制作を続けていたが、2018年春夏コレクションから村上亮太単独でデザインを手掛けている。2020年にブランド名をピリングスに改名した。

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上田安子服飾専門学校卒業後、山縣良和による「ここのがっこう」でファッションを学ぶ。リトゥンアフターワーズのアシスタントを経て、2014年に「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」を立ち上げる。2020年には「K'sK」代表の岡本啓子と共に、ニットスクール「アミット(AMIt)」を開校。ニットを通したコミュニケーションの場作りにも注力している。
