「マリーン・セル（MARINE SERRE）」が、フランス最古の貨幣発行機関ラ・モネ・ド・パリで2025年秋冬コレクションショーを開催した。世界を支配するマネー原理に抗いながら活動する独立系ファッションハウスとしての矜持とパラドックスを表現するため同会場を選んだとし、来場者にはフランスの象徴・マリアンヌへのオマージュとしてコインが配付された。

　アイコンとなったキャットスーツやアップサイクルレザーのクチュールドレスなど、力強く官能的なシルエットを展開。ランジェリープリントをはじめとするトロンプ・ルイユ（だまし絵）の要素を取り入れたほか、巨大なパファージャケットはアンドレ・レオン・タリーへのトリビュートとして製作。アクセサリーは、新作の「AURORAバッグ」やセカンドスキンシルエットを再解釈したシューズ「MS CRUSH」などを用意し、また時間や歴史への問いを込めたアンティーク時計やコインをモチーフに使用するなど、"エコ・フューチャリズム"と標榜するアップサイクルなアイテムも披露した。