Image by: Courtesy of Mame Kurogouchi
黒河内真衣子が手掛ける「マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」の2025年春夏コレクションは、「かたち」という最もシンプルな物質的要素に目を向け、異なる文化や時代に出自を持つオブジェや自然の産物を収集し、日常にあふれる物体の多様なフォルムにインスピレーションを受けて製作。昨年のコレクション製作で行った作陶を通じ、粘土による成形の難しさを経験した黒河内は、デザイン画を描く上でのセオリーである外線を引くことはせず、手を使い粘土を削り作ることで生まれる偶発的なデザインアプローチを試みた。
小石や道端で拾った豆、ルーシー・リーのボタン、工場の備品、陶器の壺のほか、見数、提灯、漆器など収集された様々なオブジェを、ノートの上で黒く塗りつぶし、シルエットのみを抽出。価値や先入観といった記号を削ぎ落とし「かたち」だけを残す究極のミニマルを体現した。
アイテムは、京都で目にした伝統提灯の「かたち」を支える骨組みの構造を引き返し編みで表現したグラフィカルなニットや、袖のボリュームが印象的なニットドレスやカーディガン、極細のプリーツが施されたロングドレスなど、唯物論的観点から「かたち」のみを抽出して服のシェイプを作り上げた。アクセサリーでは、丸みを帯びた石の造形を模したコード刺繍の新型バッグを2サイズで展開するほか、日差しに溶け出す水場を思わせるガラスのジュエリー、なめらかな曲線が特徴のハットブランド「シノナグモ(Shinonagumo)」のプレタポルテライン「エントワフェイン(ENTWURFEIN)とのコラボレーションハットなどが披露された。
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