
Image by: KHOKI
「コッキ(KHOKI)」が2025年秋冬コレクションを発表した。ショーの会場は五反田TOCビル。
「怪しげな夜の森」をイメージした空間には、山梨県にあるディレクターKokiの実家の森から持ち込まれた段ボール600箱分の枯葉が敷き詰められ、白樺の木を模した白い棒状のライトがスモークがゆらめく暗い会場を照らした。Kokiは、ルーツのある山梨県の夜の森に根源的な恐怖を感じていたというが、そのおどろおどろしさのようなものが今となっては美しいものとして感じられるようになったという。
来場者は暗闇の中を歩き席に案内された。会場は一面香り立つ枯葉の香りで包まれ、座席に用意された手作りのクッションの上に腰を下ろすと、嗅覚や枯葉を踏む音など、五感で夜の森が感じ取られた。スモークがたかれた会場にモデルが現れ、ライトが点灯しショーがスタートした。
コッキの個性を強く可視化したという今回のコレクションは、コッキが得意とする古着のディテールを引用したアイテムや職人の手による刺繍があしらわれたもので構成。手編みの木の葉型のモチーフをはぎ合わせたトップスは約半年間かけてインターンシップ生とともに制作したもので、プロには出せないどこか“脆さ”のあるクラフト感が、コッキが掲げる「人の手が見えるものづくり」を象徴している。コレクションの核となるのはレースのディテール。レースをニードルパンチで埋め込んだシャツやフーディー、コートなどを製作した。ジャケットスタイルの手元にはレースの手袋を取り入れ、ヘッドピースもレース素材を造形的に構築したデザインを採用。無骨な古着のエッセンスに軽やかさやエレガンスを加えた。
ランウェイと客席はぶつかりそうなほど近く、鑑賞者とモデルの距離を近づけることで洋服を身近に捉え、会場全体を「コミュニティ」として表現したという。また、ショーはアコーディオンやフルート、チェロなどの演奏者たちによる生演奏で彩られた。動物や妖怪たちが奏でるタンゴのリズムは夜明けと共に晴れやかな音色に移り変わり、ショーを締め括った。
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