Image by: FASHIONSNAP
デザイナー吉田圭佑が手掛ける「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」が、2025年春夏コレクションを発表した。会場は、東京・五反田のTOCビル。
これまでは、その時の時代感を捉えた「ムード」を起点に、人間像、シェイプ、アイテムの順でコレクションを作り込んでいた吉田だが、母校に凱旋して発表した先シーズンを終え、「ケイスケヨシダの表現する人間像やムードは容易く揺るがない」という手応えを感じたという。そうして、世の中に溢れる刺激に左右されるのではなく、身近にある何気ない日常を見つめ「冷静の奥行きに眼差しを向けた」という今シーズンは、テーラードジャケットやチェスターコート、フーデッドパーカなどのベーシックなメンズウェアアイテムであり、ケイスケヨシダにとっても象徴的なアイテムを起点に、その「奥行き」を追求。襟元とウエスト部分をカットすることで、表地と裏地の間に身体を入れるという着用方法を発見した。ジャケットが背面に垂れ下がり、その重みで裏地が身体に張り付いた姿は、着用したメンズのジャケットに一切装飾を加えていないにも関わらず、ケイスケヨシダのウィメンズらしいムードを漂わせた。こうした丁寧な仕立ての表地が内包する、内側のチープファブリックに何よりもエレガンスを感じたという吉田は、この裏地をキュプラやシルクサテンのほか、ナイロンといった素材を用いて作り上げた。
ショーは、裏地素材で仕立てた定番のシャツとタイトスカートを纏ったファーストルックからスタート。続く2ルック目には、正面から見ると一見シャツやドレスのように見えて背面にはメンズのジャケットの表地がぶら下がっているスタイリングが登場。以降も同様に上着の裏地が表出したアイテムが続いた。これらはいずれも従来のジャケットの造形を崩さず、そこに人体が入ることで新たなシャツやトラウザーズに表情を変えたアイテムだ。
なお、カーディガンやタイツなどに施されたビジューは、「タナカ ダイスケ(tanakadaisuke)」のデザイナー 田中大資とのコラボレーションによるもの。イヤリングや箔プリント、カーディガンのビジューに採用されたタンポポのモチーフは、今回着想源となった日常の「どこにでもあるはずがいざ探してみると手に入らないもの」を象徴している。
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2015年秋冬シーズンに「東京ニューエイジ」でデビューコレクションを披露したユニセックスブランド「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」。デザイナーは吉田圭佑が務め、「明るいのか暗いのかわからない空気と、そこにいる彼らの感情と装い」をコンセプトに服作りを行う。
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1991年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。ここのがっこうとESMOD JAPONの「AMI」でファッションデザインを学び、2015年秋冬シーズンに「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」を立ち上げ。同シーズンで「東京ニューエイジ」の合同ショーに参加し、ランウェイ形式でコレクションを発表した。日向坂46や櫻坂46といったアイドルの衣装デザインなども担当している。
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