Image by: FASHIONSNAP
幾左田千佳が手掛ける「チカ キサダ(Chika Kisada)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 S/S」で2025年春夏コレクションをランウェイショー形式で発表した。
幾左田はバレエダンサーとして舞台で活動した後、2007年に「レキサミ(REKSAMI)」、2014年にチカ キサダを設立。“バレエのエレガンス”と“パンクの生命力”という2つの相反するイメージの融合から生まれる「強いエレガンス」をコンセプトに、バレエと音楽、都市の空気からインスピレーションを得たウィメンズウェアを提案している。
今シーズンのテーマは、“酩酊”や“中毒”を意味する「Intoxication」。ブランドコンセプトである「バレエ」と「パンク」の精神やエッセンスはそのままに、“人の感情を揺さぶるような鮮烈な赤”を散りばめたコレクションを製作。やや無機質さを感じさせるようなコンクリート打ちっぱなしの地下スタジオを舞台に、女性チェリストによるチェロの生演奏とともに披露した。
“Intoxication”
辺りに漂っている赤くて強い香り
赤い閃光
くっきりと赤く塗られた唇
わたしの意識は浮遊する
どこにもない物語の世界で好きに遊べるから
さまざまな感情は薄い膜となり
衣となって私に絡みつく
わたしの周りに
わたしを追いかけるように
わたしにスローモーションでぶつかってくるように
暗闇に浮かぶ月の孤独
暗がりはとても居心地がよい
心のどこかの思いがけない場所をこじあけられたようだ
ー 幾左田千佳 ー
コレクションでは、レオタードやボディスーツ、ビスチェ、クリノリン、ドラマティックなシルエットのドレスといったバレエにルーツを感じるアイテムを、繊細なチュールやレース、花柄のファブリック、艶やかなブラックレザー、ブルーデニムなどの多様な素材で表現。また、チカ キサダが得意とするテーラリングも、今シーズンはクラシカルなシルエットのジャケットに加え、サイドからバックにかけて大胆な斜めの切り替えを入れチュールをあしらったアシンメトリーなベストや、大きく開いた肩部分にレース編みのランジェリーをドッキングしたように見えるジャケットなど、“人や物が作り出す動きやその残像を形にした”という躍動感のあるシルエットに落とし込んだ。
カラーパレットは、柔らかいピンクやベージュ、グレー、ネイビー、ブラックといったチカ キサダの定番でもあるベーシックカラーを基調としながらも、今季のキーカラーである鮮やかな赤を随所に採用。モデルの唇をくっきりと彩るリップをはじめ、チュールの装飾をあしらったプラットフォームサンダルやバッグ、アイコニックなチュールのドレスに用いられた印象的な赤が、観客の目と心を惹きつけた。
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