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「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の2025年サマーコレクションは、アーティスティック・ディレクター デムナ(Demna)自身の幼少期における経験を描写。発表直前に招待客宛に送られたショーノートの「ファッションに関する私の初期の記憶は、段ボールにルックを描き、それを切り抜き、祖母のキッチンテーブルでファッションショーをしていたことから始まります」という内容になぞらえ、木製の長いダイニングテーブルがランウェイとなった。
ショーノートの続きに「35年後、このショーは私を、私のビジョンの始まりに再び結びつけます。独自の視点を持つファッションへのオマージュです」と記載されている通り、今シーズンはデムナの服作りへのピュアな思いとともに、創造的なアイデアとテクニックが注ぎ込まれた。
コレクションの序盤は、レースのランジェリーをトロンプルイユで表現。ブラジャーはボディタイツに織り込まれており、ボトムもタイツにショーツが一体化したパンタシューズで、アンダーウェアの概念を覆す。コルセットの編み上げのディテールを、ドレスやデニムのバックスタイル全体に施したシリーズは、意外性をはらみセンシュアルなムード。中盤はコクーンシルエットのショート丈ブルゾンに、スーパーローライズのブーツカットジーンズを合わせたスタイルが続いた。終盤は何着もの異なるウェアがランダムにつなぎ合わされたメッシー(messy)なスタイルで、中世の貴族のようなハイカラーがジーンズで作られたコートが象徴的。同一のアイテムをコートとビスチェドレスといった2wayで男女のモデルが着るなど、秀逸なパターンテクニックも見られた。一転して超ミニマルなビスチェとパンタシューズの5体が続いた後、ラストは創設者クリストバル・バレンシアガのコードを未来へと継承するイブニングウェアでショーを締め括った。
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「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は1917年に、クリストバル・バレンシアガが創設。当時から、革新的なクチュールのテクニックが高く評価されてきた。2016年秋冬からはデムナ(Demna)がクリエイティブディレクターに就任。近年は、ダッドスニーカーブームの火付け役である「トリプルS」や「トラック」、ブランドのショッパーを模したバッグなどがSNSでも反響を呼び、10〜20代を中心に幅広い層へ知名度が広がっている。
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